セガの
『メガドライブミニ』が2019年9月19日に発売になった。任天堂の
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』や
『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』、SNKの
『NEOGEO mini』に続いての発売だ。来年の3月には、コナミデジタルエンタテインメントから
『PCエンジン mini』の発売も控えている。
この数年、古いゲームの復刻が活気づいている。そうした中、今年の6月に
アミューズメント通信社が発行しているアミューズメント業界紙
『ゲームマシン』のアーカイブが公開された。1974年から1982年のPDFデータが6月に公開されて、9月には1983年から1984年のデータが追加されている。
現在のゲームセンター文化の流れに繋がる、アミューズメントマシンについてのリアルタイムの情報がまとまっている。当時を知る上で貴重な資料と言える。
過去のアミューズメント業界について知りたい場合は、同じくアミューズメント通信社が出している本
『それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち』が非常に良書だ。黎明期の産業が、どのように勃興してきたか、そして現在巨人となった企業たちが、どのように成長してきたかが詳しく書かれている。2005年出版で、デジタル版が出そうな気配がないので、興味のある人は確保しておいた方がよいと思う。
さて、少し脇道にそれたが、『ゲームマシン』アーカイブに戻ろう。まずは、1974年から1984年という時代が、どういった背景を持つ時代だったのかを確認する。この間に起きたことを、いくつかピックアップしてみよう。
1974年は、時代を象徴する出来事が多く起きている。最も大きなものは、ウォーターゲート事件により、ニクソン大統領が辞任したことだ。日本での文化史的なところでは、巨人の長嶋茂雄選手が引退したこと、『宇宙戦艦ヤマト』第1作が放映開始されたことになるだろう。
続く
1975年にはマイクロソフトが、翌年にはアップルコンピュータが創業している。1983年には、任天堂が
『ファミリーコンピュータ』を発売して、デジタルの波が家庭にも一気に流れ込んだ。この時期にはインターネットも誕生している。総じて世の中がデジタルへと移行していった時期と言える。
こうしたアナログからデジタルへ移り変わる時期が、1974年から1984年という時代だ。この激動の時期、特定の業界、それもデジタル産業と深く関わる業界がどのように変遷していったかを、『ゲームマシン』アーカイブを通して辿ってみよう。