カジノ誘致を進める前に決めるべきことが何も決まってない
No8~12は本来はカジノ誘致を進める前に決めるべきなのに、補正予算を通した後で検討するとされていることが並んでいる。つまり、本来あるべき順序と逆転している事柄だ。
まず、
No8「横浜市の推進体制(自前なのか、委託なのか)」について。カジノ事業者の選定は全国でも初めてのことなので、当然ながら横浜市にはノウハウはない。従って、横浜市の職員を中心に推進するのならば早急な人材育成が必要。もしくは委託するのであれば、その点の検討も必要だ。しかし、
横浜市は現時点で推進体制について何も検討していない。
以下、この件が発覚した際の荒木由美子委員と横浜市のやりとりの抜粋を紹介する。
荒木委員:カジノ業者選定のノウハウなどを横浜市は持っていないが、今後の業務は横浜市職員で実施する?それとも委託する?
局長:検討しなければいけない項目は多くあり、危機感を持っている。体制は今後しっかりとっていきたい。
荒木委員:それでは、新年度予算で体制をつくる?
局長:バタバタしていて出来てないが、考えなくてはいけない。
荒木委員:それを考えないで、そもそも予算は出せないでしょう。
横浜市の回答はお手本のようなゼロ回答。
推進体制について何も考えてないことが浮き彫りになっている。
続いて、
No9「カジノ事業者が撤退した場合の事業者側の責任を規約に盛り込めるか」について。カジノ事業者はビジネスが目的のため、初期投資を回収できた、もしくは採算が合わなくなった等のビジネス上の理由で将来的に撤退することは十分に考えられる。だが、この懸念についても横浜市は
現時点で何も検討できていない。
以下、この件を指摘した際の荒木委員と横浜市のやりとりの抜粋を紹介する。
荒木:将来的にはカジノ事業者が撤退することもありえる。地域の疲弊、犯罪増加など事業者に対する責任は規約に盛り込める?
局長:撤退リスクは、協定で考えていかなけばいけない項目。国との話にもなる。
荒木:では、国との協議なので、今は決められない?
局長:今後の協議になる。
この横浜市の答弁からは
国任せという姿勢がよく分かる。
次に、
No10「カジノのマイナス面(ギャンブル依存症、治安悪化など)の検証や対策」について。横浜市は
カジノ誘致によるギャンブル依存症や治安悪化について具体的な検証や対策は何も出来ていない。しかも、9月に審査されているカジノ補正予算案には、ギャンブル依存症調査として3000万円が計上されている。その中身は、市民から3000人を無作為抽出して、ギャンブル依存の傾向などをアンケート調査するという内容であることが9月11日の質疑で既に明らかになっている。本来であれば、依存症になる可能性がある人がどれぐらいいるのか把握した上で、カジノ誘致の意思決定をすべきだが、
完全に順番が逆転している。