旅行客向け、環境保全etc.様々な用途で再注目される「地域通貨」
地域内で消費促進やボランティアなどの相互扶助を目的に、限定された地域でのみ使える「地域通貨」。かつて’00年代にブームとなったが次第に下火となっていた。しかし近年、地方創生やFinTechを追い風に再び注目を集めている!
那覇国際通り スマイルタグは那覇市・国際通りの商店街や沖縄県内7か所の観光施設で使用できる
企業が運営し、観光に特化した地域通貨がある。沖縄県那覇市の沖縄ツーリスト社が運営する「スマイルタグ」は、観光客にさまざまなサービスやポイント還元があるということで人気を呼んでいる。ユニークなのは、スマイルタグが外国人観光客の免税処理にも役立てられていることだ。
「クルーズ船で来る外国人観光客の方々は、パスポートのコピーを持参して買い物をしようとされる方が多く、読み取り機が対応できなかったのです。スマイルタグを利用することで、免税処理をスムーズに行えるようになりました」(沖縄ツーリスト担当者)
首里城
昨年は12万4000人が使用したスマイルタグ。今後は那覇空港などの自動販売機でも入手できるようになり、ますます便利になりそうだ。
沖縄のスマイルタグ
【スマイルタグ 沖縄県那覇市】
沖縄ツーリスト社が運営。同社が企画するツアー参加者が使えるもので、ICカードで簡単に買い物ができ、ゲームにも参加できる。カードには最初から600円分がチャージされていて、100円ごとに1ポイント貯まり、そのポイントを次の買い物ですぐに使える。ドリンクサービス、利用先の店や観光施設でプレゼントをもらえるなど、さまざまな特典がある。こうしたお得情報は、公式サイトに随時アップされる。加盟する免税店では、30秒で免税書類の作成が可能。
旅行客向けの地域通貨で最もお得と言えるのが、東京観光財団が発行する「電子しまぽ」。
伊豆七島・神津島
東京都からの助成金があり、7000円で1万円分、宿泊・飲食・買い物・アクティビティなどに利用できる。
電子しまぽは還元率が高く、旅行客に大人気。伊豆諸島に行くなら必ず買っておきたい
【電子しまぽ 東京都伊豆諸島】
スマホにアプリを入れてクレジットカードで購入し、7000円で1万円分の旅行商品券として使える。宿泊代、現地でのマリンスポーツや飲食費など150以上の加盟施設で使え、地域通貨の中でも最高の還元率を誇る。1万円の額面のうち3000円分については宿泊施設のみ利用でき、残りの7000円は全加盟店で利用できる。