JMTRは、2006年に停止後、2011年から2030年までの20年運転を目指して改修を2011年3月に終えています。その後福島核災害によって基準が変わり、基準適合に莫大な予算がかかるために運転を断念された経緯があります。
2011年に終えた改修では、二次冷却系も対象に入っていましたので、その資料*を探しました。
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JMTRの冷却設備の更新Renewal of Cooling System of JMTR 2011/06 JAEA>
この資料を見ますと、JMTRは全体の主要部品を交換しています。勿論、今回倒壊した二次系冷却塔も例外ではありません。
JMTR全体の改修内容を見ますと、約四年半で電装系、機械系の殆どが更新対象となっており、これらの改修には170億円がかけられていました。予定されていた2011年6月の操業再開時点では、照射体キャプセルの90%が予約済でほぼ満員御礼、それぞれのユーザーは数年がかりで照射体の準備を行っていたとのことです。
2011年3月に170億円を要したJMTRの改修は予定通り終わり、6月の再稼働を目指していましたが、2011年3月11日に発生した福島核災害によって再稼働は延期となり、更に発電用原子炉の基準強化と共に研究用原子炉の適合性基準も大幅に引き上げられたため、運転休止は更に伸びることとなりました。
この停止期間中の維持費用は、
年間15〜20億円の費用を要しました。
この休止期間にJMTRは
経年劣化=高経年化による地下埋設配管(放射能を含む)の漏洩や、放射能を含む水の漏洩、被曝を伴わない労災事故など、比較的大きめのインシデントが相次ぎました*。
大部分のインシデントが施設の経年劣化を示すものであり、これでは2011年に操業再開してもインシデントの続発で設備利用率=稼働率が低迷したものと思われます。
<*【相次いだ比較的大きめなインシデント】
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独立行政法人日本原子力研究開発機構 独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(北地区)材料試験炉(JMTR)の管理区域外にある埋設配管のき裂による放射性物質の漏えいについて平成23年1月31日 文部科学省科学技術・学術政策局 原子力安全課原子力規制室
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原子力機構大洗研究開発センター JMTR施設第3排水系貯槽及びタンクヤードにおける汚染等の発見について(速報) 平成26年9月11日 茨城県生活環境部防災・危機管理局原子力安全対策課
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JMTRタンクヤード(管理区域)における作業者の負傷について平成30年6月21日 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 大洗研究所
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材料試験炉(JMTR)二次冷却系統の冷却塔倒壊について令和元年9月9日 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 大洗研究所>