入管の女性被収容者へのひどい待遇。着替えもトイレもカメラで監視、自殺未遂も

ハンストを行っていない被収容者にも、職員からのイジメ

生理用品などの差し入れ

女性たちにとって生理用品などの差し入れはありがたい

 もともとハンストをしていなかった女性たちにも筆者は面会して話を聞いたが、ハンストをしていなくとも女性職員からのイジメがあることには変わりないようだった。  例えば、面会に来たボランティアが差し入れをすれば「管理が面倒だから、送り返せ」と圧力をかけられたという話をよく聞く。しかし彼女らはお金がないので、自分たちで生活用品を買うのは大変で、ボランティアの差し入れを頼りとしている人も多い。  特に生理用品などは高いし、職員も同じ女性なら理解してほしいものだ。それすらも自分たちの仕事が増えるのが嫌で、突き返すようにと言うらしい。収容のストレスだけでなく、女性職員による仕打ちに耐えかねている人たちも少なくはない。  筆者は総務課に出向き、「監視カメラでトイレや着替えを覗くことは、人権侵害にはあたらないか」と質問した。すると、総務課の職員は、こう答えた。 総務課職員:「理由」があればしょうがない。 筆者:食事をとらないことは、監視カメラで辱めることに相当する「理由」でしょうか。 総務課職員:それは、私のほうではお答えできません。 筆者:仮放免とは、その人が母国に帰れない理由などを判断材料にするのであって、食事をしたかしないかで判断するものではないはずでは? 総務課職員:それは、そうですね……。  オリンピックが決まって以来、何が何でも日本への在留を希望する外国人を追い出そうと躍起になっているうちに、職員たちの人権感覚が徐々に麻痺していき、どんどんグロテスクな方向に進んでいるように感じる。日本は本当にオリンピックにふさわしい国なのだろうか、今のこの国で行われている闇に目を向けずして、いったい何が“平和の祭典”なのだろうか。 <文・写真/織田朝日>
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)など。入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)を2月28日に上梓。
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