あやたか氏とは違うアプローチでVIXショートを攻略している猛者もいる。
「投資歴は20年。ブルームバーグの端末を自宅に導入し、海外の株、債券、ETFなど調べまくりましたが、行き着いた答えがVIXショートでした」
と笑みをこぼすのは、専業投資家の玉井俊太郎氏だ。
初動は見送り、下がり始めたらイン!/8月1日からの初動を見送り、3波目が終わった6日からポジションを構築した玉井氏のトレード実例。8月9・22日からの上昇でもポジションを積み増し、8月は3回の急騰で500万円を稼いだ。「初動で飛びついたら焼かれるのでそこだけは注意」
「私がトレードするのはVXXという金融商品で、年にトレードするのは3~4回。でもこの4年間、年利で50%は稼げています。トレードの手順は、VXXの値が一日で10%動くような日が出てきたら、そのときから監視を開始。これが初動で、二段上げ、三段上げと続くパターンがほとんど。もっとも安全なのは三段目を確認後、下落し始めたところで売りから入って、ポジションを構築していきます。間違っても初動で入らないことがポイント。あと頂上で売ることにこだわらず、ドルコスト平均法のように淡々と売りを積んでいくのがポイントですね」
直近の事例では、8月1日からVXXは10%以上の急騰を開始。21から2週間で31まで上昇し、25前後まで下落した。この事例でいえば8月1日で飛びつかず、5日か6日まで待ってから入るのが正解だという。
「昨年末から年始にかけて、VXXが26から50を突破する場面もあったのですが、私は初動では乗らず43→45→47といった具合にナンピン。3か月ほどかけて30まで下がったところで全利確しました。こういうスイングも効果的。張りつかなくて済むので楽です」
恐怖指数という仰々しい名前とは裏腹に、トレーダーにチャンスを与えてくれるVIXショート。少額から始めてみるのはアリかもしれない。
【あやたか氏】
兼業投資家。20歳で株式投資を開始。VIX指数投資を中心にさまざまな手法を駆使して元手50万円が約5000万円に。
あやたかの株ブログ
【玉井俊太郎氏】
専業投資家。’06年より脱サラし専業に。海外金融商品マニアを自任する投資マニア。月額20万円以上する端末を操り、日夜自室にこもって研究に勤しむ
取材・文/浜田盛太郎 図版/ミューズグラフィック