「VIX指数を使ったトレードに気づいたのは、イギリスのEU離脱を問う国民投票の直前でした。VIX指数が上昇していったので試しに売りで入ったところ、
まさかの離脱でさらに急騰。でも、翌日には材料が出尽くして下落していった。この経験から
『資金管理さえ徹底すれば、かなりの勝率で稼げる』と気づいて、研究を重ねていったんです」
あやたか氏の手法は、売りを積み増していくスタイル。まず最初に見るのはVIX指数の数値だ。
「
VIX指数と実際にトレードする米国VIの値は違うので慣れが必要ですが、手順としては『VIX指数が15から1上がるごとに米国VIで売りポジションを積み増す』と考えます。保有したポジションはそれぞれ1.5下がったところで決済。
最初は含み損になっても、そのうちプラス転換するので気長に待つ心持ちが大事。そのために資金管理は徹底します」
あやたか氏が目安にしているのは、VIX指数が50を超えても耐えられる状況。資金量や許容できるリスクによってとるポジションを整理して運用している。
複利での運用は厳禁! カバーを意識すればローリスクで高利回り
VIX指数15を超えたらショート開始/図表上はあやたか氏のトレードの根幹を成す概念。VIX指数15を基準に1増えるごとに同じロットを売り、保有したポジションは1.5下がったところで決済。チャートは上下に振れながらトレンドをつくっていくので、一度のトレンドで利幅を何度も抜けるような設計だ。図表下は資金別&リスク別のロット数。あやたか氏の推奨は「リーマンショックは諦める」。利回り7~25%は狙えるパフォーマンスだ
「チャイナ・ショック級には耐えられるように計算しています。それでもいつかはリーマンショック級の急騰が来るでしょう。それまでに利益を出しておいて、カバーする戦略をとるべき。複利での運用は厳禁です」
VIX指数が16~25に推移した場合、300万円を元手に米国VIを各10枚ずつ売りあがっていくと、14.5まで戻ればすべて利確できることになる。一度の上下変動で利回りが約5.3%になるのだ。大きく動くチャンスは頻繁にはないが、ローリスクでこの利回りはなかなか得られるものではない。