使えない上司ほど質問ベタ。「巻き込み型リーダーシップ」が発揮できる5つの質問

5つの質問→指示・命令という順番が大事

 この5つの質問を繰り出す反復演習を実施していて、必ずといっていいほど出てくる質問が、「5つの質問がボトムアップの巻き込み型リーダーシップを発揮する基本の型だということはわかったが、それではメンバーの言いなりではないか」「会社がやらせたいこと、リーダーが徹底させたいことは、どこにも出てこないのか」というものがある。  リーダーがメンバーにやらせたり徹底させたい、いわば指示・命令は、5つの質問のあとに繰り出すとよい。そうすれば、巻き込み型のリーダーシップが機能し、指示・命令の効果も上がる。指示・命令だけでは、相手は腹落ちしない。指示・命令のあとに5つの質問を繰り出しても、巻き込みの効果は上がらないのだ。

まずは相手の考えに触れる

 質問:巻き込み型リーダーシップの具体的方法は何か    トップダウンではない、ボトムアップの巻き込み型リーダーシップですが、具体的には、どのような方法で発揮すればよいのでしょうか? 頭では、ボトムアップ、巻き込みが必要だということはわかります。しかし、実際にやるのは、とても難しそうに思うのですが、簡単にできる方法があるのでしょうか?  回答:相手の考えに触れてから、自分の考えを話す  最も簡単で効果のある方法は、リーダーとして自分が話したいことを話す前に、相手が考えているだろうことに触れるということです。ほとんどのビジネスパーソンは、相手が考えているだろうことに触れずに、いきなり、自分が話したいことを話しはじめます。その順番を逆にするだけなのです。  「なんだ、そんな簡単なことか」と思う人もいるかもしれません。確かに、話す順番を変えるだけのことで、とても簡単そうに思えます。しかし、そのことを、ほとんどのビジネスパーソンはできていません。自分の言いたいことをまくしたててしまうことが、ほとんどなのです。そうなってしまうと、相手を巻き込むことができなくなってしまいます。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第153回】
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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