日本のメディアがいたずらに嫌韓を煽る先に何がある?
昨今の日韓関係の問題に関して、この原稿の他にもう一本編集部に寄稿している。どちらが先に公開されるのかは編集部の判断なのだが、もう一方の記事にも書いている事を本稿では少し展開しておく。
今の情勢下において、韓国の話題は、視聴率やPVを獲得しやすい「良ネタ」であるのだろう。まして、韓国は危険である、韓国は何を考えているのか分からない、そう煽れば、人々の注目が集まるのは事実であろう。人々の関心事を報道することは、メディアの責任の一つである事を否定はしない。しかしその「人々の関心の根底」にあるものを、もう少し見つめるべきではあると思う。
今の多くの日本人が韓国関連報道に「興味」を持つのは、自身の身の危険と直結しているからだ。どこかで災害が起きた時に、災害情報の詳細を得ようとする心理と同等だ。人には、自分自身を守ろう、大切な人を守ろうという本能がある。
その「危機」が、本物であれば、その情報には価値がある。
しかし実態の無い「危機」は、人々を間違った判断、間違った行動に導くだけだ。その象徴の一つが、今回の高校日本代表の日の丸外し問題なのだ。
日本のメディアは、なぜこんなにも危機を煽るのか。
国民を間違った判断、間違った行動に導きたいのか。
<文・邦訳/安達夕>