我々が泊まった部屋のリビング。ヴィンテージ風のインテリアが特徴だった
注目を集める「バケーションレンタル」のスタートアップ
7月11日、アメリカの宿泊サービス企業「
Sonder」が2.1億ドルの資金調達を行い、企業価値が10億ドルを突破したことが報道された。「ユニコーン」と呼ばれる、評価額が10億ドル以上で未上場のスタートアップ企業の仲間入りを果たしたことになる。(参照:「
crunchbase news」
このSonderとはいったいどういうサービスなのか、Airbnbとは何が違うのか。実際に2018年9月に利用した筆者がレポートする。
アメリカの新しい宿泊サービス「Sonder」。Airbnbとの違いは?
Sonderを利用したのは、夫婦でアメリカ・ニューオーリンズを旅したときのこと。ヒューストン在住の友人夫婦と現地で合流する予定だったので、4人で泊まれる宿を探していた。
4人一緒となるとホテルの選択肢が限られるが、ニューオーリンズは人気観光地だけあって、値段もそこそこ張ってしまう。そのときみつけたのが、Sonderが提供する宿だった。
LDKに加え、2ベッドルーム、2バスルームのアパートの部屋で、我々の希望を満たしている。それでいて値段は手ごろで、写真を見る限りインテリアも洗練されており、即決だった。
泊まった部屋「
Vintage 2BR in Arts/Warehouse District」は、主要観光地であるフレンチクォーターから歩いて10分程度。近年開発が進んでいるおしゃれなエリアで、近くにはAce Hotelも。レストランやスーパーも近く、非常に便利な立地だった。
あくまでも
ホテルではないので、フロントやコンシェルジュは常駐していない物件もある。その場合は、チェックイン・チェックアウトは無人で行う。支払いは予約時のクレジットカード決済だ。
今回の宿の場合、建物の入り口と部屋の入り口にそれぞれ電子キーがかかっていた。暗証番号は宿泊の数日前にメールで知らされる。
暗証番号に関しては定期的に変更されるようで、滞在中も、建物の入り口は一度変更された。新しい暗証番号は、写真のようにショートメッセージで届いた
民泊だと「カギの受け渡しに手間取った」「写真と実際の部屋が全然違った」というトラブルがつきものだが、Sonderの場合それはない。というのも、
Sonderという会社が一括して物件を所有・管理しているためだ。
2012年から始まったこのビジネスは、当初はモントリオールの大学生、フランシス・デビッドソンが、夏のバケーション中に部屋を又貸しするのに苦心していたことから、モントリオールで仲間と民泊を始めたのがきっかけだった。しかし、大きく発展するにいたったのは、創業者が遭遇した宿泊トラブルが大きなヒントになっているという。サンフランシスコに旅行した際にアパートを予約したものの、所有者となかなか連絡が取れなかったうえ、いざ部屋に入ってみたら食べかけのゴミや犬の毛が散乱していて、別の宿泊先に移動することを余儀なくされたそうだ。(参照:「
Sonder」)