「株価が下がるとワクワクする」!? インデックス投信積み立てで資産を増やす投資家がそう語る理由とは?

積み立てイメージ

Nattanan Kanchanaprat via Pixabay

 投資信託というと、ビギナー向けというイメージが強いが、実は堅実投資から夢の一攫千金まで、バリエーション豊かな投資が可能だ。知られざる投信の魅力について、専門家や個人投資家に取材した!

積み立て型・資金ゼロからのほったらかし投資が大成功インデックスでも資産倍増!

「株価が下がると、むしろワクワクしますね」  と話すのは、ベテラン個人投資家のkenz氏。同氏が12年もの間、ブレることなく続けているのが「インデックス投資」だ。国内外の株やREIT(不動産投資信託)の値動きを表す指数(インデックス)を買い続け、ひたすら「市場の平均点」を取り続けている。  勤務先が積み立て投資を活用した企業年金「企業型確定拠出年金」を導入したのをきっかけに興味を持った。インデックス投信は資産から差し引かれる「信託報酬」という運用コストが安いうえ、個別銘柄を選ばなくても市場の成長をそのまま反映できる点が気に入ったという。  同氏の投資スタイルは、給料から毎月一定額を積み立てる積み立て投資だ。「まとまった資金がないので仕方なく(笑)、毎月2万円で始めました」

まとまった資金がなくて積み立てを選択

 しかし、kenz氏がこのインデックス投信の積み立てをスタートしたのは、’07 年のこと。100年に一度の金融危機といわれたリーマンショックの前年だ。 「毎月、自動で買い付けたそばから含み損が増えていく日々が続きました。中でも海外REITの下落がすさまじく、1日で8%下がったり、含み損が80%に達したこともありました」  分散投資はリスクを抑えるというが、それでも資産全体の評価額は半分まで下落した。口座を確認するたびに資産が減っていく状態が4年近く続いたが、それでもkenz氏は、積み立て投資をやめなかった。 「下落局面は、安値を拾える絶好のチャンスです。こういうときにくじけずに続けることが、後の利益を大きくするということはわかっていたので、淡々と続けました」  長い含み損に耐えた日々は、’12年ごろから報われ始めた。米国株が底打ち反転し、続いて日本株もアベノミクス相場で急上昇したのだ。現在資産全体は投資元本の1.6倍になり、特にリーマンショック当時の積立分は倍以上になっているという。  ここ最近の株式市場は方向感のない値動きが続いているが、長期保有を決め込むkenz氏には、そんな不安もどこ吹く風だ。 「将来リタイアした時に少しずつ使おうと思っているので、足元の含み益や含み損の額にはまったく興味がないですね。相場は低迷しているほうが、安く買えるので気分がいいんです」(kenz氏)
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Kenz氏注目の低コストインデックスファンド
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