「ラブドールに似せられた女性が知ったら衝撃を受けるだろう」
また先月29日に大法院は、ファイル共有サイトにおいて、猥褻動画を直接アップロードするのではなく、リンクを貼っただけでも猥褻物の流布罪として罰しなくてはならないという決定も下している。
韓国の女性弁護士は、このような「アニメーションの猥褻物と認定しながら、ラブドールを性的器具と分けて考える基準に納得がいかない」としながら、「最近ではラブドールの造形を、購入者が細かく指定出来ると聞く。もし似せられた女性がその事実を知ったら、その衝撃や精神的苦痛は計り知れない」と指摘した。
更に今後ラブドールに人工知能(AI)が搭載されれば、単純な男女間の対決の問題を飛び越え、ロボットが性的器具として活用されるべきかという、複雑な問題にも発展しかねないと危惧している。
ラブドールは猥褻物なのかという論点で始まった裁判が、社会的な広がりを見せるなか、女性蔑視を糾弾するフェミニズム運動に変容した。
この度のラブドールの騒動における男性側の代表的な意見も書き添えて置く。
「男性の自慰器具にまで女性団体が関与する理由が分からない。独りで誰にも迷惑かけまいとしているのに、なぜそれすらも非難するのか。女性が男性を嫌うのと同じように、男性も女性だからと言って何でも良い訳ではない」
「他人が人形を抱いて寝ようが寝まいがほっといてほしい」
「二審の判決を支持する。私的な領域における国家干渉の最小化は正しい。姦通罪廃止(2015年)の大きな理由は『国家が個人の布団の中まで意見してはいけない』ということだ」
ラブドールの輸入を禁止して欲しいという青瓦台への国民請願が20万人を超えたということは記事の冒頭で紹介したが、8月6日現在では26万人を超えている。ちなみに反対意見である「ラブドールの輸入は許容されなくてはならない」という請願活動も同時に行われているが、この請願に対する賛同者はまだ2000人にも達していない。