さらに、これら都心型を中心に展開する企業にとって「新たな脅威」となっているのが、ほぼ「西日本ローカル」でありながら業界3位に躍進した
コスモス薬品だ。
「ディスカウントドラッグ」をキャッチフレーズとして掲げる同社は、長年「ほぼ共通設計の郊外大型店」を西日本にドミナント出店し、商品価格を抑えて大量販売するという手法で成長してきた。しかし、近年は東日本への出店も増えており、さらに2019年には東京初出店として広尾・中野・西葛西の駅チカに相次いで出店するなど、都心エリアにも勢力を伸ばしつつある。
「強力なライバル」の出現は、都心型中心のドラッグストア運営企業の経営統合を促す一因となった可能性もあろう。
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東京都心に初出店したコスモス薬品(東京都目黒区)。
コンビニ跡への出店であるため狭く、九州で見られるような大型の食品売場は設けられていない(写真提供:第2893号さん)
さて、こうした都心型ドラッグストアは海外でも人気を集めており、とくにアジア諸国においては急成長を遂げている。
次回以降の記事では、大手ドラッグストア各社の「海外戦略」や「販売品目の差」について注目していきたい。
<取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『
都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「
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