今回、SA・PAに停まっていたトラックドライバーや、SNS上でアンケートに協力してくれたドライバーに、この深夜割引に対して意見を求めたところ、
●深夜割引を利用するために、必要以上に早く出庫する。或いは、0時を待ってPA等で待機することは多々あります(指示されなくても、利用高速代が給料に影響する場合も多いので)。
●本来ならばもっと早く帰社できるところ、この割引の時間がくるまでサービスエリアで待つので、拘束時間は伸びるし、どこも無駄に混み合う。仕事も終わり、後は帰るだけなのに、ゴールを目前にして停まらなければならない時は、「何やってるんだろう」という気分になる。
●拘束時間が長い運転手をさらに拘束し、東名新東名上りのPA等休憩場所の深刻な不足に拍車を掛けている悪しき制度だと感じます。
●日本のライフラインを支えるトラックに関しては終日割引にしてもらいたい。それがトラッカーの拘束時間問題解決の近道にもなり、SA・PA問題も少なくなると思います。当社ドライバーもそろって同じ声を上げています。
といった返答があった。
トラックとて、好きであんな危険なところに停まっているわけではなく、悪気なく迷惑駐車しているわけでもない。顧客や消費者の要望に応え、安く早く運ぶ図体の大きい彼らには、居場所がないのだ。
「駐車違反をしてまで休むな」と言われるかもしれないが、「休息を取る」ことも、トラックにとっては道路交通法と同じく守るべき立派な規則だ。
こうしたトラックの駐車スペースの問題や、過酷な労働環境を改善するには、「全国的な大型自動車専用駐車スペースの拡大」、「荷主による到着時間の配慮」、「深夜割引の制度見直し」、そして「周囲の少しの理解」が必要になってくる。
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働環境問題、ジェンダー、災害対策、文化差異などを中心に執筆。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『
トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書) Twitterは
@AikiHashimoto