駅員の学生バイト、7割が学業に支障。正社員と同等の負担でもやめられない事情

「シフトが埋まらないと講義中にも電話が来る」

首都圏学生ユニオンの尾林哲矢さん

 調査に寄せられた苦情からは、学生バイトが正社員と同等の負担を強いられていることが伺える。 「研修なしで運賃収受のような社員が担うべき業務も担当させられ違和感を覚えました」 「振り返ってみればアルバイトで正社員の駅員と同じ責任を持たせるには重すぎると思っていました」  また、鉄道各社が正社員の配置を減らし、学生バイトに依存していることも浮き彫りになった。 「学生駅員のシフトが埋まらない場合は、学生の中でシフトを埋めなければならず非常に辛いです。しかも埋められない場合には正社員に怒られます。辞める人も非常に多いです。なんとかしてほしいです」 「アルバイトが居ないと回らないため、シフトが埋まらないときには講義中にも電話が来てとても困りました」  首都圏学生ユニオンは、小田急で働く男子大学生からの相談を受け、同社と団体交渉を行っている。正社員の人員を増やすよう求めるとともに、準備時間や研修も勤務時間として算入し、賃金を支払うよう求めている。  ただ、今回の調査でもわかったように、駅員バイトの過重負担は小田急一社に限ったことではない。今後学生ユニオンは、厚労省や国交省、文科省に対しても、実態調査と対策を求めていくという。 <取材・文/HBO編集部>
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