グラビアアイドル・倉持由香に学ぶキャリア形成とは?<「サラリーマン文化時評」#10>
一般企業はもちろん、芸能界でも議論が活発になっている働き方や仕事術。それはアイドルも例外ではない。セルフプロデュースやキャリアプランなどについて、彼女たちは何を思い、戦略を立てているのか? 当連載の著者・真実一郎がグラビアアイドル・倉持由香を直撃した。
真実一郎(以下、真実):倉持さんは『グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術』(星海社)という著書を出されていますけど、個人的にはタイトルが違えばもっと広い層に届く内容だと思いました。グラドルの仕事論に留まらない、SNSマーケティングの実践的な教科書であり、更にはサラリーマンも見習うべきキャリア形成の指南書ですよ、これは。
倉持由香(以下、倉持):『グラビアアイドル』という言葉はどうしてもタイトルに入れたかったんですよね。でもグラドルとかけ離れている業種の人からは、自分には関係ないと思われてしまうのかも。サラリーマンの人にも自分事化してもらって、ぜひ手に取ってみてもらいたいです。
真実:本の内容でまず伺いたいのが、倉持さんが『タワーマンションに住む』というゴール設定をしていたという部分です。これ、言うのは簡単ですけど実行するのは大変だったのでは。
倉持:大きな目標を立てて、そこから逆算して、じゃあそのために3年後までに何をしよう、1年後までに何をしよう、じゃあ今月は何をしよう、といった感じで小目標を決めて実行するんです。自分が出来そうな範囲の小さな目標をどんどん作っていくと、スタンプラリーみたいに達成感があるというか。
最初から大きい目標だけポーンと掲げてがむしゃらに働いても、達成感がないまま潰れちゃいますよね。やっぱり達成感を味わえる成功体験があると、やる気が続くのかなって思います。
真実:そういう、『ありたき姿』を決めてからそこに向かってシナリオを段階的に描く、というメソッドは誰かに教わったものなんですか?
倉持:誰かに教わったわけではないですね。ビジネス本を特に多く読んでいるわけではないので。そういうのって、会社で教えてもらえるんですか?
真実:僕は会社で教わりました。昔のサラリーマンは、目の前の与えられた仕事をこなしていけば徐々に出世できたけど、今はあらゆることが不確定なので、今のサラリーマンは『ありたき姿』を自分で設定してキャリア設計を考えるのが主流になりつつあるんです。
「小さな達成感」の積み重ねで「ありたき姿」を目指す
仕事をこなすだけでは出世できない
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