グラビアアイドル・倉持由香に学ぶキャリア形成とは?<「サラリーマン文化時評」#10>

タワーマンションに住んでみたら……

真実:具体的にはいつ、タワーマンションに住むことを決めたんですか? 倉持:20歳くらいのときです。それまでは漠然と『いい家に住みたい』という目標はあったんですよ。実家が砂壁の小さな家で、小学校のときは友達を呼ぶと『なんで由香ちゃんの家は壁を削るとポロポロ砂が落ちてくるの?』とか『玄関せまーい』とか言われて、それがトラウマで。友達を呼べる家に住もう、という願望があったんです。絶対自分の力でいい家に住むぞ、と思って、それで今の事務所に移ったんです。 真実:それが20歳くらいのときですよね。 倉持:お金が無かったので、友人であるグラドルの吉田早希ちゃんの家に居候させてもらっていたんですが、彼女の家の近くにタワーマンションが建って、『あのタワーマンション、最上階にジムがあるらしいよ!』という話になって。  それでテンションが上がって、そのジムで町を見下ろしながら走るっていう、凄く理想的な生活が頭の中に思い浮かんだんです。『よし決めた。私はいつか、最上階のジムで優雅に走って暮らせるように仕事で稼いで、絶対このマンションに住む!』って決めました。

アイドルもローンを返済するため働き続ける

真実:夢をかなえて、そのときのマンションに暮らしているわけですが、家賃36万円ということを公言されています。一人暮らしとしてはかなり高いですよね。 倉持:でもどうしてもそのマンションに住みたいから、私はこの6~7年間ずっと頑張ってきたんです。最初は7万5000円の1K、次が11万円の1K、17万円の1LDK、それで36万円の2LDKというように、毎年引っ越してきて。とにかく私にとって大事なのは家だったんです。でも、実はつい最近引っ越しちゃったんですけど。 真実:え? 倉持:今度は別のところにマンションを買って、そこに住んでいます。 真実:最上階のジムで優雅に走るんじゃなかったんですか? 倉持:ジムは……入居していた1年半で3回くらいしか行きませんでした。よく考えたら、運動嫌いだったなって(笑)。気合い入れてジムウェアとか買ったんですけど、ホコリ被ったままです。いつでも行けると思っていたら全然行かなくて。 真実:確かに、倉持さんのTwitterを見ていると、基本は友達とゲームしたりホームパーティーしたりして、ジムに行った形跡がほぼ無いですね。 倉持:そうなんですよ。友達みんな運動嫌いなので(笑)。ジムも含めて共有設備が豪華なマンションで、そういうところに管理費を結構取られていたので、家賃も高くて。あんまり使用しないのであれば、最低限の設備があるタワーマンションでいいのでは、と思って、最近買って引っ越しました。 真実:家を買ったということは、ローンを組んだということですよね。 倉持:そうです。フラット35が通ったので。確定申告の書類を2年分出したら、なんとか通りました。 真実:では仕事はずっと続けるということですね。 倉持:そうですね。働き続けます。 【倉持由香(くらもち・ゆか)】 グラビアアイドル、女優。自称「尻職人」。‘14年からは「グラドル自画撮り部」と称してSNS上で自らの写真をアップしていく活動を開始。グラビアアイドルたちの支持を集めて話題となる。著書に『グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術』(星海社)がある <取材・文/真実一郎 撮影/荒熊流星>
サラリーマン、ブロガー。雑誌『週刊SPA!』、ウェブメディア「ハーバービジネスオンライン」などにて漫画、世相、アイドルを分析するコラムを連載。著書に『サラリーマン漫画の戦後史』(新書y)がある
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