野外フェス、キャンプのゴミ問題。「ゴミ持ち帰り」は日常をも変える

宅配やレンタルを推進すべき

 この「ゴミになるものを持って行かない」というマナーは、野外フェスの放置テント対策にも有効だと思えます。もし野外フェスでキャンプのビギナーが友人、知人がいたら、購入するよりもキャンプ場や宅配のレンタルサービスの方が安いからと、利用することを勧めてみてください。  また、野外フェスの関係者がこの記事を読んでくださっていたら、レンタルサービスの利用をもっと来場者に勧めたり、レンタル業者と提携して利用者になにかしらの特典を設けてみてはどうでしょうか。

ゴミを減らせばキャンプスキルも上がる

 「ゴミは持って行かない、出したゴミは持ち帰る」ことは、キャンプやアウトドアのスキルアップにもなります。ゴミを持っていかない工夫をするようにする習慣、考えが身につくと、たくさんの道具をいくつも揃えるのではなく、少ない道具で多くのことに対応できるようにしようという考えや興味も湧いてきます。  そもそも装備する道具が少なく、シンプルになってくると、不思議とキャンプで出るゴミも減るんです。登山では背負える量や重さに限界があるので、必然的に装備がシンプルになり、出すゴミも少なくなっているのです。  野外フェスで音楽をきっかけに自然への関心を得て、キャンプで自然のなかで過ごす知恵や経験を得たら、不便さは実は「楽しみの種」だったと思えるようになるかもしれません。そう思えたら普段の暮らしでも、キャンプ同様にシンプルさを楽しめるようになるかもしれません。野外フェスやキャンプの楽しさのひとつは、そのときだけで終わらず、普段の暮らしでもちょっとした変化が起きるかもしれないことだと、私は思うんです。
登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅やエコをテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。アウトドア以外に家電等の道具全般にも精通。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント「ちょい山CLUB」を妻と共に主催する山の案内人でもある。
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