投票日前日に安倍首相と菅官房長官が秋田入り。イージス・アショア配備ゴリ押し”に全力投球”

秋田選挙区で自民党が勝てば「配備への理解が得られた」と言い出す!?

寺田静候補2

寺田静候補

 一方、配備反対の寺田静候補は、子育て中の母親らしい第一声を上げていた。 「自分の息子だけでなく、秋田の子どもたちにイージス・アショアのある未来を手渡したくない」  候補者の本命だった県議の固辞で白羽の矢が立った寺田候補は、悩んだ末に秋田選挙区での出馬を決断した。「専業主婦に国会議員が務まるのか」と批判を逆手に「主婦目線」「生活者目線」と打ち出し、「私は国の視点に立った国会議員を目指していない」「(配備反対を含めた)地方の声を伝えていく」と訴えている。  選挙手法も対象的で、地元県議と一緒に県内を回る草の根選挙に徹し、枝野幸男代表ら野党幹部議員と街宣することは一度もなかった。寺田候補の義父は寺田典城・元秋田県知事で、夫は寺田学衆院議員(立憲民主党会派)。  秋田選挙区で自民党公認候補の中泉氏が勝利すれば、「安倍首相が現地で必要性を訴えていた、イージス・アショア秋田配備への理解が得られた」と安倍政権がアピールするのは確実だ。  名護市市長選でも、自民党は辺野古に触れない“争点隠し選挙”をしたのに、辺野古阻止を訴えた稲嶺進・前市長が落選したとたん「辺野古新基地建設の民意が得られた」と言い出していたからだ。  安倍政権の秋田選挙区への全力投球は「イージス・アショアの秋田配備は何としても進める」という政権側の意思表示なのではないか。まさに巨大与党が「参院選勝利=配備賛成」という拡大解釈をして、秋田県民の反対民意を踏み潰そうとしている。 <取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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