秋田選挙区で自民党が勝てば「配備への理解が得られた」と言い出す!?
寺田静候補
一方、
配備反対の寺田静候補は、子育て中の母親らしい第一声を上げていた。
「自分の息子だけでなく、秋田の子どもたちにイージス・アショアのある未来を手渡したくない」
候補者の本命だった県議の固辞で白羽の矢が立った寺田候補は、悩んだ末に秋田選挙区での出馬を決断した。
「専業主婦に国会議員が務まるのか」と批判を逆手に「主婦目線」「生活者目線」と打ち出し、「私は国の視点に立った国会議員を目指していない」「(配備反対を含めた)地方の声を伝えていく」と訴えている。
選挙手法も対象的で、
地元県議と一緒に県内を回る草の根選挙に徹し、枝野幸男代表ら野党幹部議員と街宣することは一度もなかった。寺田候補の義父は寺田典城・元秋田県知事で、夫は寺田学衆院議員(立憲民主党会派)。
秋田選挙区で自民党公認候補の中泉氏が勝利すれば、「安倍首相が現地で必要性を訴えていた、イージス・アショア秋田配備への理解が得られた」と安倍政権がアピールするのは確実だ。
名護市市長選でも、自民党は辺野古に触れない“争点隠し選挙”をしたのに、辺野古阻止を訴えた稲嶺進・前市長が落選したとたん「辺野古新基地建設の民意が得られた」と言い出していたからだ。
安倍政権の秋田選挙区への全力投球は「イージス・アショアの秋田配備は何としても進める」という政権側の意思表示なのではないか。まさに巨大与党が
「参院選勝利=配備賛成」という拡大解釈をして、秋田県民の反対民意を踏み潰そうとしている。
<取材・文・撮影/横田一>