続いて、アンカーの星浩氏は「選択的夫婦別姓についての考え方」を安倍総理に尋ねる。
先ほどの枝野代表の時と同様、「問題についての考え方」という広い聞き方をしているため、選択的夫婦別姓についての自身の考えをただ述べれば青信号となる、非常に易しい質問だ。
以下、安倍総理の回答。
安倍総理:”あのー、
まず冒頭ですね、星さんが、働きやすい、
女性が働きやすい、ということを言われましたね。で、あの、
この、おー、
5年間でですね、280万人の女性が働き始めました。25歳以上の、ですね、
全ての世代で、え、
就業率、は、ですね、
アメリカを超えています。そして、えー、いわば、役員、だ、あ、あのー、
大企業の役員の、ボードメンバーのですね、
これは政権とる前の倍になっている、ということは申し上げておきたい、と、えー、
思います。それから賃金格差もですね、
今までで一番少なくなっている。えー、
そして、賃金の上昇率も一番高くなっている、ということは申し上げておきたいと思います。(
赤信号)
ま、
その上で、えー、
今のグラフ、うー、
においてもですね、
意見が、えー、
もちろん賛成の方が多いのですが、分かれているという状況で、(黄信号)
え、まさに、えー、
基本に係ること、でありますから、あのー、
慎重に議論していきたいと思っております。(青信号)”
1段落目は以下のように論点をすり替えており、
赤信号とした。
質問内容:選択的夫婦別姓に対する総理の考え
↓ すり替え
回答内容:女性の労働人口、就業率、役員数、賃金格差、賃金上昇率
要は、「女性の働きやすさ」という観点で関係しそうな
女性の労働に関する数値改善をひたすら挙げ続けただけである。
2段落目は、
星浩氏がわずか1分半ほど前に紹介した内容(=その場にいる参加者が全員知っており、説明する必要が全く無い内容)をあえて説明しており、黄信号とした。
ちなみに、星浩氏が紹介したフリップには「賛成42.5%、反対29.3%」という文字が書かれており、「グラフ」ではなかった。
3段落目でようやく「慎重に議論していきたい」という
ゼロ回答を示し、この部分のみが青信号にあたる。
3人目に、自民党とは異なるスタンスを表明している公明党の山口代表に星浩氏は話を振る。
以下、山口代表の回答。
山口代表:”
はい。認めるべきと、私はですね。今は一人っ子のご家庭も多いんですね。一人っ子同士で結婚をする。そうすると男性であれ、女性であれ、自らの名字をそのまま続けたい、残したい。こういう、
思う人はとっても多くなっている。そういう社会的実体があって、えー、
法制審議会で、法律上も問題ない。そして、諸外国でも、これ実施して問題なくやってる国が多いと。どれをとっても、もう認めて良い環境ができてるわけですね。社会的必要性があると思います。(青信号)”
解説するまでもなく、選択的夫婦別姓に関する公明党のスタンスを述べているため、すべて青信号とした。
また、山口代表は3党首の中で「あのー」「えー」などの不要な言葉や同じ言葉の繰り返しがほとんどなく、最も聞き取りやすい。その点は、冒頭に紹介した色別集計で灰色(=本文中では「地の色」)がわずか2%という数字にも如実にあらわれている。(枝野代表は8%、安倍総理は22%)