出版不況の時代に、自作小説を自由に広報できるサイトを作ったワケ

動かなければ分からない

 書き手の主導で始まった“小説の宣伝”をするサイトだが、成功するのか失敗するのかは分からない。しかし、過去に様々なことに取り組んできたが、1つだけ分かっていることがある。それは「動かなければ、本当のことは何も分からない」ということだ。  机上の空論という言葉がある。頭でどんなに考えても、実際に試してみないと分からないことは多い。そして何かを始めることで、世間と摩擦が生じて、どんどん知見が増えていく。傍観者ではなく実践者になることで、より深く問題に関われる。  出版不況の時代、多くの人が、何かしなければならないと感じて、それぞれ模索している。私自身もその一人だ。現状を打破するために少しでも動きたい。また、一人では無理なことでも、互いに協力し合うことで可能になるのではないか。そう考えている。  馬鹿な取り組みかもしれない。しかし馬鹿なことをやるからこそ、違う道が見つかることもある。上手くいかなかったとしても、それはそれで面白い。というわけで、小説をいかに読んでもらうかを考え、そのために小説を宣伝するサイトを公開した。そして少しずつ改良している。  そうした人間もいると、知ってもらえればと思う。そして、実際に小説を読んでもらえると嬉しい。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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