伊方発電所を回った夜、八幡浜で蓮池氏と語り合った「選挙」、「原発」、「拉致問題」……

蓮池さんが語った拉致問題と家族会

 途中で講演会主催者の女性二人と別れ、ファミレス(八幡浜にはジョイフルがある)に場所を移して話を続けました。  私がかねてから疑問だったことをここで聞きました。蓮池さんが家族会の事務局長だったとき、専従に近いほど忙しいのに東電はそれを認めた、さすがは東電だと仲間内で褒めていたのですが、本当はどうだったのでしょうか。  東電は関係ありません。当時は東京の日本原燃に出向していて、それだからこそできたのですとのこと。原燃は家族的な雰囲気でいろいろ無理を利かせてくれたとのことでした。同僚達も日に影に応援してくれていたとのこと。原燃の雰囲気が良いのはなんとなく分かります。  東電に帰任してからは会社、上司、同僚すべてが救う会についてはガン無視だったと事で、有給休暇も使い果たす羽目になり、たいへんだったとのことでした。とても冷たい職場でしたよとのこと。  ここで面白い話、蓮池さんは、地方競馬が大好きとのことで、原燃へ出向時代、休憩時間に隣の場外馬券場に行ったところ、噂の真相に激写され、「救う会事務局長、会の金を横領しギャンブル三昧」とスクープされたとのことです。このことは私も記憶にあります。本人がそれを知ったのは、出勤したところ原燃の同僚が、机の上に記事のコピーをおいていたからとのことでした。マスク姿で外出する習慣なので、いかにも怪しい出で立ちで写され、コピーを置いた人は、「なんか載ってるよ」と言う意味合いだったとのこと。  ポケットマネーで趣味の地方競馬の馬券を買うときにマスクつけていただけであんな記事書かれたんですよと、大笑いでした。確かにかつて日本原燃東京支社の向かいにウィンズ新橋はありました。  蓮池さんは、とくに高知競馬がお気に入りとのことで、高知競馬はパドック解説が素晴らしく、そして最終レースは大きく荒れる傾向があるとのことでした。八幡浜の次が高知での講演でしたので、できれば立ち寄れないかなとのこと、相当好きですね。翌日、高知担当者に高知競馬のことを申し渡したところ、「そんなの知らないよ」と言われがっかり。一勝もできなかった「ハルウララ」ブームで辛くも廃止を免れた高知競馬、少しは関心を持ってほしいものです。温泉施設ヨネッツこうち もありますよ。  高知競馬の実況アナウンサー、橋口浩二氏は、私と延岡西高校で同学年であり剣道場などでも一緒であった事などいろいろと話題に事欠きませんでした。小学生時代、あまりに道場に遅刻ばかりする私は、橋口君にとっ捕まって、厳しく意見されたものでした。すみません、私は少年剣士やる気消之助(やるきしょうのすけ)でした。

拉致問題は、被害者家族がいる以上、終わりにできない

 三つ目に拉致問題ですが、薫氏一家は帰還したし、蓮池透さんは、10年あまりの間もう十分にやったのだから、蓮池家としてはもう終わりにできないのかという意地悪な質問には、「そういう言い方は嫌だな」とのことでした。やはり、多くの拉致被害家族がいる以上、終わりにはできないとのことでした。  一方で、集会のたびに戦争だ、復讐だと叫ぶ有様を映像公開までする今の有り様は全く異常で、あれでは生存者がいても救えるわけがないと言うことで、私も同意見です。対北朝鮮封鎖政策は、安倍晋三氏主導で2004年から一貫して強化され続けていますが、救う会内部でも強く期待されていた成果は全くなく、外交カードを一方的にすべて失い、完全に失敗しています。外交問題で5年かけて成果の出ない政策など、その時点で破棄されるべきもので、現状は解決を望まない、政府・自公によるやっているふりだけに過ぎないと考えます。また、ビジネス右翼の草刈り場と化しています。  主戦論は、外交の放棄であり、外交を放棄すれば、物事は解決しません。そして、日本政府が第二次小泉訪朝以後、対北朝鮮外交をやったかと言えば、何もやっていません。拉致問題に関して言えば、計画者であり、発令者であり、第一の当事者とされた金正日氏が死去した以上、金正恩氏にとっては過去の他人事で、外交交渉を行いやすい絶好の環境を得たにもかかわらず安倍晋三氏はなにもしないしできません。  全く情けない話です。
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「青バッジ」は事実上の日本会議バッジ
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