ボロアパートを利回り30%の優良物件に! サラリーマン大家が語る成功の手法

 不動産投資で財を成した投資家たちはどのようにして稼いでいるのか? 先駆者たちがどのようにして成功を収めたかを徹底的にリサーチ。不動産が持つポテンシャルを活用して、少ない元手で大きく儲ける方法を紹介する!

小山市のアパート。購入直後はかなり荒れた外観だったが、外壁塗装や修繕を実施。結果的には利回り30%(リフォーム代込みで22%)の「優等生物件」へと成長した

マイナー都市を攻め、物件規模をステップアップ!

「まずは競売で北関東のワンルームマンションを落札しました。しかし、予想以上に管理費や修繕積立金など負担が重く、思ったほど利益は残らなくて、とても残念な思いをしたのを覚えています」  自身にとって初めての物件をそう振り返るのは、サラリーマン不動産投資家の埼玉スワローズ氏。‘05年から不動産投資をはじめた大家歴14年のベテランで、現在は関東郊外を中心に数多くの物件を保有する。 「以降は一棟ものへ路線変更し、’06年に神奈川県横須賀市に築20年のアパートを購入。周囲はうっそうと木が生い茂り、共用部分は20年間一度もリフォームはおろか、掃除すらしてない様子。全5室のうち4室が空室という高難易度物件でしたが、きれいに再生すれば経営は成り立つと判断しました」  週末のたびに自宅のある埼玉から横須賀へ通い、アパート再生に取り組んだというスワローズ氏に今でも忘れられない出来事が起こる。 「ある客付け会社を訪問したところ、そこの女性店長が僕の物件の元入居者だとわかりました。話も弾んで、『元住人なら物件のこともよく知っているし、力になってくれるだろう』と期待していたら、オフィス奥のパーティション越しに、ヒソヒソと話し声が聞こえてきたんです。『あんな、階段を100段も上るような暗いアパートなんてありえないよ』と。期待した分だけ、ショックも大きく、リフォームで心身ともに疲れきった僕にはこたえました」  強烈な洗礼を浴びたスワローズ氏だが、それを発奮材料に外壁塗装や敷地の樹木を伐採すると、明るい雰囲気のアパートに生まれ変わり3か月で満室を達成した。横須賀のアパート再生でノウハウを得て、さらなる高利回り物件を求め、’07年に栃木県小山市の10世帯アパートを購入。購入時の表面利回りは20%、その当時としても破格だった。

購入当初は北陸のアパートは内装に工夫をこらした。「アクセントクロスを導入し、他物件と差別化することで着実な客付に成功しました」とスワローズ氏は振り返る

郊外や地方は何より賃貸需要の有無が肝心

「その後は対象エリアを全国まで広げて、当時の自分が買える最高の超高利回り物件を探しました。目標は利回り50%。そこで見つけたのが北陸地方某市の物件でした。リーマンショックによる派遣切りの影響で12室中10室が空いてしまった物件が投げ売りされていたんです。高利回りを狙うなら、あえてマイナーなエリアに絞るべき。県庁所在地のような1番手の都市は避けて、4、5番手のほうがチャンスはあります。12世帯中2世帯の入居状況でも利回りが13%あったので、何とかなると思いました。半分入居したら利回り36%ですから、伸びしろしかない。一部屋空室が解消するごとに、収入が月3万円『チャリーン』と増えるので、テンションが上がりましたね(笑)」  この物件は最終的に利回り72%(リフォーム代込み利回り58%)のモンスター物件に成長し、稼ぎ頭となる。 「郊外や地方の物件は、何より賃貸需要の有無です。あと、駐車場は1世帯に最低1台はほしい。ファミリー物件なら2台あってもいいくらい。でも、家賃2万円のアパートはいくら安くても手を出しません。地方も東京もリフォーム代はさほど変わらないので“リフォーム負け”するからです」
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規模が大きくなって以降は利回りよりも効率重視
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