蓮舫議員の6・10年金質疑を信号無視話法分析。報告書を読んでいなかった麻生財務相

報告書を読んでいなかった麻生財務相

信号無視話法分析その1蓮舫議員:はい。えー、今、麻生大臣は、えー、あたかも赤字だと表現したのは不適切だった。豊かな生活を送るための25万円に、5万円足りない。これ、前回の会見でも言ってるんですけど、この認識は変わってないんですね? 麻生財務相一番冒頭に申し上げたと思いますが、各年金生活者、老齢をとられた方の、(赤信号)ね、生活者は非常に色々な条件があります。で、一概に、一律に、この方ってワンパターン化するのには不可能だと思っております(赤信号)。  この質疑については、以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。 質問内容:豊かな生活を送るために月5万円足りないという認識は変わっていないか ↓ 答弁内容:年金生活者の収支算出を一律にできるか  このちぐはぐな答弁を聞いて、蓮舫議員は短く切り返す。 蓮舫議員:この報告書(金融庁の市場ワーキング・グループ報告書)、読みました? 麻生財務相:冒頭の部分、一部、目を通させて頂きました。全体を読んでいるわけではありません(青信号)。  質問には答えているため青信号としたが、委員会室からは一斉に「えー!」とどよめきが起きる。(動画の38秒~)  なぜならば、この決算委員会が行われた6月10日は報告書公表から既に1週間が経過。さらに、報告書公表の翌日には「人生設計を考えるときに100まで生きる前提で退職金って計算してみたことあるか?」と物議を醸したコメントを出した麻生財務相本人が、実は報告書を読んでいなかったという衝撃的な事実が明るみになったからだ。

再度質問するも、またしても論点ずらし

 続いて、冒頭の「月5万円足りない」発言について再度質問する蓮舫議員。 蓮舫議員:これだけ国民の間で怒りが蔓延して、大問題になっている。読んだら5分で終わる報告書を読んでいない。このどこに、どこに、「豊かな暮らしのために5万円足りない」って書いてありますか? 麻生財務相::わた、私ども、私どもが最初から申し上げておりますのは、これは、いわゆる、年金のこの勉強をするグループで出されてきたものを挙げられた(赤信号)サイヨウだと私ども理解しておりますので、そういった意味では(赤信号)、私どもはこの挙げられた、すぐ後、に、今の中で申し上げているような色々な表現の中にある中で少なくとも、そういったものを目的としてやろうとしているということを申し上げております(赤信号)。  またも論点をすり替えており、赤信号とした。 質問内容:豊かな生活を送るために月5万円足りないという認識は変わっていないか ↓ 答弁内容:報告書の出所  この答弁に対して、蓮舫議員は間髪入れずに麻生財務相の認識誤りを指摘する。 蓮舫議員:間違ってます。2つの意味で。1つ、勉強するためのグループが話したものじゃなくて、麻生大臣が諮問をした審議会のワーキンググループですよ。で、そして、この報告書には、「豊かな老後のために25万円要るから5万円足りない」とは、1行も書いていません。その問題認識が甘い。そんないい加減なことで「不適切だ」と国民に言うのは、私はその方が不適切だと思います。
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「赤字は不適切」で国民は納得するのか
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