蓮舫議員の6・10年金質疑を信号無視話法分析。報告書を読んでいなかった麻生財務相

報告書を読んでいない麻生財務相

報告書を読んでいない麻生財務相(筆者YouTubeチャンネルより)

年金不足問題における麻生財務相の答弁は誠実だったか?

 2019年6月3日に金融庁が公表した「高齢社会における資産形成・管理」に関する報告書。  一般的な無職の高齢夫婦世帯の場合、毎月5.5万円の赤字となり、老後30年間で約2000万円が不足すると試算。さらに、この2000万円には介護費用などの特別な支出は含まれていないことが明らかになり、実際の不足額はさらに大きいと見られる。  報告書公表から1週間後の6月10日、年金に大きな関心が集まる中で迎えた参議院決算委員会。立憲民主党・蓮舫議員は約30分間にわたって、麻生太郎財務相や安倍総理に年金問題を質問。本記事では、この質疑の約10分間をノーカットで信号無視話法分析していく。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化する。 答弁者の配色ルール

わずかな「青」に垣間見える麻生財務相の本音。「赤」だらけの安倍総理

 麻生太郎財務相と安倍晋三総理の回答を集計した結果、このようになった。 色別集計<色別集計・結果> ●麻生太郎財務相:赤信号49% 黄信号21% 青信号13% 地の色17% ●安倍晋三総理:赤信号79% 黄信号7% 青信号0% 地の色15%  2人とも大半が赤信号でほとんど質問に答えていない。  麻生財務相は青信号が13%あるが、この青信号には衝撃的な本音を垣間見ることができ、中身に注目したい。一方、安倍総理は青信号が0%で質問に一言も答えていない。委員長による「答弁は簡潔に」という注意も一顧だにせず、延々と「ある専門用語」を解説し続けた。  いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
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「報告書を読んでない」と言った麻生財務相
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