元手40万円から4億円稼いだ凄腕個人投資家が、下振れ圧力のある令和の相場で注目する銘柄は?

 新時代は米中の貿易戦争で幕を開け、市場には下振れ圧力が高まっている。だが、悲観することなかれ。そんな過酷な条件下でも、爆上げが期待できる銘柄は常に眠っているからだ。今回、カリスマと呼ばれる相場師たちの厳選銘柄をこっそり聞いた。

イラスト/渡辺貴博

元手40万円から4億円近い利益を上げた凄腕個人投資家!

 14歳から投資を始め、40万円を元手に4億円近い利益を出してきたかぶ1000氏。割安で放置されている“資産バリュー株”を発掘するスペシャリストの彼は、今後の相場動向をこう分析する。 「米中の貿易戦争や日本の景気後退により、企業業績が予測しづらくなっています。そのせいか相場は不安定。しかし、悲観的になる必要はありません。景気回復のために日銀が景気刺激策を打つと考えられますし、日経平均株価自体は割安。客観的なデータに裏付けられた有望銘柄はまだ眠っています」  米国の中国への関税引き上げは、日本市場への影響も大きい。中国製商品の価格が高騰して低迷すれば、アメリカ自身の経済が冷え込む恐れがある。結果、日本企業にとっても痛手に。 「先行きが不透明なので、ボラティリティの高いハイリスク・ハイリターンの投機的な投資や、シクリカル銘柄(景気敏感株)への投資はリスクが高い。むしろ、景気に左右されにくく、かつ国を挙げてのイベントに伴う特需が見込める、そういった割安な銘柄にターゲットを絞ったほうが賢明です」

景気に左右されず、特需が見込める割安銘柄に注目!

“割安+特需”が揃った銘柄こそ“必勝”の条件。まず、国全体を巻き込んだ祭りで思い浮かぶのが、’20年の東京五輪。次いで、’25年の大阪万博だろう。鉄道好きなら’27年の中央リニア開通まで。これらすべての特需の恩恵を受けるのが東海旅客鉄道(JR東海)だ。

JR東海は一時期、工事費問題で株価を下げたもこともあったものの、国から3兆円規模の財政投融資が決まったことで株主の不安は解消(写真:産経ビジュアル)

「一時期、中央リニア開発の工事費問題で株価を下げましたが、国からの3兆円の財政投融資で、不安は解消。決算も『運輸』『不動産』『流通』の主要事業すべてがプラスと好調です」  続いて、大阪に本社を持ち、建設機械のリースやレンタルを行っている西尾レントオールは、すでに大阪万博の開発に向けた受注が入り始め、数年先までの収益が期待できるという。 「財務内容を見ても堅実な経営をしていますし、インフラの改修工事への受注もかなりある。カジノの誘致が決定すれば、さらなる売り上げも見込めます。同様に、ニッピにも注目。大阪万博に向けて再開発が進めば業績アップが見込めるだけでなく、実は足立区に評価額数百億円にものぼる土地を持っています。これだけ見ても超割安。株価のサイクルも2年に1回急騰していて、現在は安値圏。好条件が揃っているので、跳ねれば2倍超になるかも。期待せずにはいられません」  自社株買いというイベントを通してインパクトを与えたのは三菱商事だ。 「発行済み株式の7.5%にあたる1億2000万株、金額で3000億円を上限に自社株買いを発表。需要が高まる一方で、浮動株数は増えないので、株価が上がりやすい状況です」  ローリスクミドルリターンの投資こそ、個人投資家が勝つための良策だ。
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