難民申請中のクルド人が「理由なき」収容。長期化する収容に絶望も

外国人を「理由を説明せず」強制収容する入国管理局

収容者数

日本にある外国人の収容施設の一覧表。半年以上の長期収容が圧倒的に多い

 今後、重量オーバーやスピード違反での収容はあるのか? ある20代のクルド人は「いや、その理由すらいらない」と明言する。というのは、彼は仮放免中に就労禁止を守り、保証人のもとでおとなしく暮らしていた。  だが2年前のある日、仮放免更新手続きで更新が「不許可」となる。職員に理由を尋ねても「あなたが知っているはずだ」として即時に収容されてしまったのだ。実は再収用においては、このように「理由を言わない」のが通常だ。  ゼンギンさんの収用は在日クルド人コミュニティの中で話題となっていて、「スピード違反でも収容されるのか?」と恐れる人も多い。あるクルド人は「毎朝、起きたその瞬間から、何を理由に捕まるのかと思うと、心臓がどきどきする」とその不安を吐露した。  クルド人だけではなく、在留資格のない外国人に対して、今後何をきっかけとした収容が行われるのかを注視しなければならない。 <文/樫田秀樹>
かしだひでき●Twitter ID:@kashidahideki。フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
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