ベネズエラ、マドゥロ政権と反対派が協議を開始。仲介したのはノルウェーの何故?

ノルウェーの稀有な存在感

 また、ノルウェーのベルゲン大学のレイブ・マーステイントゥレデット(Leiv Marsteintredet)政治学教授は「仲介役を務めるノルウェーは常に中立的な姿勢から双方が少しづつ歩み寄ることを心がけているということ」に触れ、「彼らが交渉役ではなく飽くまで双方の交渉を容易にする為の役目に徹する」ことを指摘している。更に同教授は「ノルウェーは国として誰にも好かれるという特恵を持っている」ということも挙げた。  ノルウェーはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国ということから米国とも良好な関係を持っているということと、ノルウェーの政権は伝統的に社会民主国ということからベネズエラやラテンアメリカの左派政党にも受け入れられていることも同教授は指摘している。これに関係して。ベネズエラの反政府派はこの協議に米国政府も了解していることを明らかにした。(参照:「ALNAVIO」)

過去2回は失敗に終わった協議だが……

 マドゥロ政権と反対派の協議はこれまで2回行われているが何れも失敗している。  最初は2016年にバチカンが主導、また2回目は2018年初頭にサントドミンゴで協議がもたれたが、いずれも成果はもたらされていない。しかも、反対派からはこれまで3議員が拘束され、11議員が亡命、8議員が身を隠し、5議員が外国の大使館に逃避しているといった状態で、マドゥロ政権からの弾圧が続いている。(参照:「La Nacion」)  このような事情下で双方がオスロで協議を始めたというのも理由がある。双方の行き詰まりである。  グアイドーは4月30日に軍事蜂起を主導したが失敗に終わった。新たな打開策はない。彼が訴える抗議に参加する市民も減少している。策がないから、国民議会は米国の軍事介入を承認することも可能だと言い始めている。彼を支持している50か国余りもその後の具体策がない。  そして、一方のマドゥロも抜き差しならない事情があるのだ。
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行き詰まる両陣営
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