フェイスブック、ネット世論操作企業関連アカウントを大量削除。世論操作ビジネスは日本に拡大も

アフリカの選挙を蝕むアルキメデスグループのネット世論操作

 このフェイスブックから事前に連絡をもらって解析を行ったデジタル・フォレンジックラボは、アフリカにおけるアルキメデスグループのネット世論操作を分析したレポート「Inauthentic Israeli Facebook Assets Target the World」を公開した。  同レポートによると、多くのページが2019年2月に行なわれたナイジェリアの選挙(Muhammadu Buhariが大統領に再選された)に関連していた。Muhammadu Buhari支持対立候補への攻撃を行うページが多く、中には対立候補をスターウォーズのダースベイダーになぞらえて批判するものもあった。  いくつかのページは3月に行われたリバーズ州の地方選挙に焦点を当てていた。リバーズ州の選挙は3月に行われたが、現地の治安が非常に悪化したため結果の発表は4月に延期された。リバーズ州に広がる治安悪化を報告するサイト「Rivers Violence Watch」への投稿と評価にボットの活動の痕跡が確認された。

地元学生などを装い実際の拠点は海外

 フェイクニュースを告発するサイトを装ったフェイクニュースサイトも登場した。「C’est faux — les fake news du Mali」(それはフェイクだ— マリのフェイクニュース)はマリの新聞のフェイクニュースを暴くとし、マリの学生が運営していることになっていた。だが、実際の運営者はセネガルとポルトガルにいた。  チュニジアでも同様に「Stop à la désinformation et aux mensonges」(誤報とウソを止める)というページがあったが、実際にはすでに誤報とされているものを紹介していた。ガーナには「Ghana 24」というニュースサイトを模したプロパガンダサイトがあった。「Ghana 24h」はイスラエルとイギリスのアカウントによって運営されていたことがわかっている。これらは氷山の一角で、多くのページは当該国で運営されているように装っているが、実際には国外(イスラエル、イギリス、ポルトガルなど)で運営されていた。  いくつかのページでは候補者を攻撃あるいは支持するためのリーク情報(と称するもの)を公開していた。公式には公開できない軍事、諜報活動、汚職に関する情報を提供するのだという。
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拡大する「ネット世論操作」請負。日本も市場に!?
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