中国人「こうして食べたほうが美味しいと思えるようになってきた」
まずは中国人。麺類の多さで言えばダントツに多い中国だが、中国でも麺を音を立てて啜ることはしない。来日6年めの中国人女性はこう語る。
「中国では麺類もいろいろな形のがありますし、細い日本のラーメンに近い麺でもレンゲに載せて口に入れて噛み切ってました。だから、最初日本に来たときは、不快ではないけどびっくりしました。でもだんだん、日本そばやラーメンはこうして食べたほうが美味しいの感じしてきました」
中国地方菜に詳しく、中国人の友人も多い、本サイトにも寄稿している愛吃(アイチー)さんもこう語る。
「中国の人にとっては、日本のラーメンが人気で日本の麺の食べ方に触れることが増えたのか、嫌悪感よりも『そういう風に食べるんだね』と受け容れている印象の方が強いそうです。なんでも中国では日本式ラーメンを音を立てて啜りながら食べることについて、”『口へ運ぶのに熱さを和らげる』効果と『美味しさの表現』といった意味がある”という説まで広がっているんだとか。ちなみに、つい先日ラーメン店で向かいの席に座った中国人留学生(なぜわかったかというと替え玉学割があって学生証を机上に置いていた)は、すっかり習慣づいたのか、しっかりすすっていました」
韓国はインスタントラーメンも種類が豊富で、冷麺などの麺食文化もある。日本に近い感じなのかと思いきや……。
「韓国はたべる時に音を出さないのが礼儀だと子供の頃から教わります。なので、私は今でも日本でラーメンたべる時には音を出しません。でも、日本は日本の文化だし、確かに音を立てて食べると美味しそうに食べるなとは思います」(来日4年目の韓国人女性)
「わりと啜って食べている人もいますが、基本的には行儀が悪いものだということになっています。2014年にはサムスンが社内規定で”麺食を食べる際に音をたてること”を禁じたなんていうニュースも出てました。ただ、日本に来て日本そばを食べるときなどは、それが日本の食文化だし、不快だとは思いません」(来日3年目の韓国人男性)
と、礼儀として子供の頃に教わるがこちらも中国人同様、「そういうもんだ」という認識を持っているようだ。
では、東南アジアはどうだろう? タイも麺類は豊富だ。奥さんもタイ人である本サイト寄稿中のライター、高田胤臣氏はこう語る。
「タイも音を立てて啜らないです。日本人の若い人はタイのマナー通りに啜らないで食べますけど、特に日本人のおじさんは屋台でも音を立てるので、周りは引きます。うちの家内も、ボクの父親と麺屋台行って引いてました。ただ、ネットでバズっていたケースみたいに嫌悪感というほど嫌がる人はいません。なにこの人、くらいの見方です。この前ベトナム行きましたが、ここでも音を立てる人はいないですね」