「世間話」が苦手な人必見。上手に対話の口火を切る方法

聞き手の関心度、集中度の低下を防ぐ

 アポをとって訪問しているのであれば、「先日、お電話でお約束させていただきました」「秘書の方を通じて、お時間をいただきました」「○○さまからご紹介いただきました」という接点を話せばよい。  アポを取っていなければ、「かねがねお噂をお聞きしていましたが、突然お伺いしてすいません」というように、相手との共通の出来事ではなく、こちらからの一方的な思いではあるが、接点を伝えることができる。  要は、なぜ、ここにいるのかという話をすることだ。特別な美辞麗句は必要ないし、相手を笑わせなければならないと気構える必要もない。淡々と、相手との過去の出来事や接点を話すことで、相手を安心させて、話の口火を切ることができる、最も簡単な方法だ。  聞き手の関心度、集中度を低下させる最も大きな要因は、不安感だ。「いったいこの人はどういう人だろう」「過去にお会いしていただろうか」「以前、どんな話をしていただろうか」という不安が払拭されれば、そのぶん、安心度が高まる。聞き手の関心度、集中度を高いレベルにして、話をスタートすることができるのだ。

世間話をするよりも安心感を与える

▼質問:世間話ができない  そもそも、相手に対して話しはじめる際に、何を話したらよいかわかりません。「世間話をしたらよい」と言われますが、どんな世間話をしたらよいか悩んでしまいます。どうすればよいのでしょうか? ▼回答:相手との以前の出来事を話す  世間話をする必要はありません。それよりも、以前、相手と会っていたり、相手と電話やメールでやりとりしていたりしたら、そのときのことを話すことのほうが、相手を引きつけやすいのです。  「先日の会合ではお世話になりました」「 メールでやりとりさせていただきありがとうございました」というように、以前のやりとりを話します。会うことになった背景を話すということです。  そうしますと、相手を「ああ、そうだったな」「そんなことがあったな」という気持ちにさせることができ、世間話よりも、相手を安心させて場をなごませることができます。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第134回】 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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