日本がダヌカさんをP氏として扱うのは「メンツ」の問題!?
ダヌカさんが書いた手紙。自分の名前が無視され、他人として収容されていることに怒りを覚えている
問題は、スリランカ大使館がダヌカさんをダヌカだと認めている以上、日本政府が認めるP氏名義のパスポートを作るはずもなく、このままではダヌカさんは強制送還すらされないことだ。つまり、生涯を収容生活で終える可能性がある。
その最悪の事態から逃れるために必要なのは、冒頭でも書いたが、ダヌカがダヌカであることを認定させることしかない。そのために裁判を起こすことを決意した。
スリランカ大使館は、前述の文書だけではなく、幾度とダヌカさんがダヌカであるとの証明書を発行している。最新のものでは、2017年1月25日、東京入管の担当者に宛てて「ダヌカ・ニマンタ氏に発行されたパスポートはスリランカ出入国管理局によって真正なものとして認証されていることにご留意ください」とまで明言している。
だが改まらない日本国の認識。Aさんはこう推測する。
「おそらく、今、ダヌカがダヌカだと認めてしまえば、日本はかつて彼をP氏の名前で強制送還させたことが間違いだったと認めることになる。つまりメンツの問題なのだと思います」
メンツの問題だけで人間を生涯隔離していいはずがない。第一回口頭弁論は5月31日10時半。東京地裁803号室。この裁判の経緯も随時報告したい。
ダヌカさんの近況については、下記ツイッターで随時発信されている。
「ぶるーの(ダヌカさんを支援する会)」Twitter ID:
@gurifon5
<取材・文/樫田秀樹>