今回の急騰の要因ではなかったにせよ、市場環境の整備がグッと進んだのは確かだ。今年3月には、仮想通貨の交換業者取引に関する資金決済法と金融商品取引法の改正案が閣議決定され、みなし業者は淘汰されることになった。「みんなの仮想通貨」プロデューサーの児山将氏が、その効果を説明する。
みんなの仮想通貨
「昨年のコインチェック流出事件以降も、日本では市場環境の整備が進まず、世界から取り残されていた。ところが、法改正に伴い、大幅に前進したことが市場参加者に好感されている。JRが株主のディーカレットやヤフーが出資するTAOTAOなど、新規参入の取引所が認可されたが、これらは仮想通貨の過熱が終わった後に参入した業者。信頼性の高い業者の増加と法改正が重なったこともあり、環境は劇的に変わりました」
上昇する要因が目白押しのビットコインだが、好材料はまだある。
「昨年もそうでしたが、世界最大の仮想通貨イベントである『コンセンサス』(今年は5月13~15日に開催)の前に相場は上昇しており、上げ材料になっている。マイクロソフトなど大企業の幹部や米SEC委員長も参加するので、重要な発表があるのではという思惑を呼び、相場が好転しやすい。また、仮想通貨のマイニング(発掘)コストの低下も、相場上昇を後押しする。マイニングには大量の電力が必要なので、大手のマイナーの多くが電気料金の安価な中国に拠点を移している。特に、水力発電がフル稼働する雨季には電気が安くなるので、マイニングが盛んになります。その結果、ハッシュレートが上がり、ビットコイン相場の上昇に繫がりやすいのです」(児山氏)
中国の雨季は5~9月。つまり、上昇の好材料が重なることになる。さらに、仮想通貨ならではの半減期も上昇の追い風となる。
「6月のG20では、国際標準のルールが打ち出される見込みで、規律ある規制は市場にとって非常にポジティブ。大手企業が参入しやすいルールができれば、大資本が動き、大量のマネーが流入しますから。また、ビットコインの半減期は4年ですが、来年がそれに当たる。半減期に伴うマイニング報酬の減額は、金融引き締めと同じ効果を持ち、供給が減れば価格は上昇する。加えて、マイナーからの売り圧力緩和に向けての仕込みが今年始まるでしょう。これらすべてが上昇要因となり、史上最高値を狙いにいく」(ひろぴー氏)
ビットコインはどこまで爆騰するのか。502おじさん氏の見立てはさらにポジティブだ。
「2年後には過去の最高値の約230万円を超えて、500万円の値をつける可能性が高い。なぜなら、昨年から1年数か月にわたり低迷した相場で、大口が相当買い集めているからです。今後しばらくは大口の買いが続くでしょうね。5年後には100倍になっている可能性も十分ある」
ビットコインの上昇は間違いないと、三賢者とも口を揃える。では、ほかの仮想通貨はどうか。’17年には2回“アルトコイン・バブル”が発生している。