アサンジとロシアの関係については諸説あるが、アメリカではロシア疑惑の起訴状に記されている。2018年の特別検察官ロバート・ムラーの起訴状(2月と7月)によれば前回のアメリカ大統領選の際、ウィキリークスがロシアと連絡を取っており、それがヒラリー・クリントンの民主党から盗まれた情報のリークにつながっているとされている。起訴状には「organization1」というぼかした名称が用いられていたが、ウィキリークスであることは明らかな内容だった。
また2017年3月にはCIAのボルト7(vault7)と呼ばれるサイバー兵器に関する機密情報をウィキリークスが暴露した。これはCIAの活動に打撃を与え、ロシアのサイバー攻撃に対する風当たりを弱める内容だった。この情報の出所もロシアではないかと疑われている。
2013年のスペイン、カタルーニャ分離独立投票の際、アサンジは選挙結果を尊重すべきだと発言していた。この選挙はロシアが干渉していたことがわかっている。
トランプ陣営とロシアおよびウィキリークスとの関係については、4月11日のワシントンポスト紙「Trump, who once said he ‘loved’ WikiLeaks, claims to know nothing about the group.」に詳しく報じられているので気になる方は参照するとよいだろう。
事実を明らかにすることは大事だが、特定の国家に都合のよい事実だけを明らかにするのは違う。起訴状に通りウィキリークスの情報源がロシアだったとすれば、主にロシアにとって都合のよい事実が暴露されたことになる。