橋下徹・元大阪府知事がジャーナリストを名誉毀損で提訴。しかし、法廷で証言の矛盾を追及される

「政治家を辞めた自分は一私人」と主張

 楠弁護士は、橋下氏が17年10月25日にツイッターで丸山議員を非難したことを取り上げた。 楠弁護士:岩上氏がリツイートした内容は、橋下先生が丸山議員を公開の場で厳しい言葉で、いわば“吊し上げ”をしたことを諫める言葉と受け止めなかったのか。 橋下氏:それは自殺の話と全然違う。丸山議員への批判のことを問題にするなら、きちんと言っていただくか、自殺に追い込んだと言うなら、しかるべき取材方法を明示してもらいたい。 楠弁護士:丸山議員への非難は暴力的で、厚労省が定める精神的な攻撃、パワハラに当たるのではないか。 橋下氏:あれがパワハラなのか。国会議員に対してパワハラというのがあるのか。政治家に対する表現としては許される。 楠弁護士:これまでの活動から考えると、橋下先生は一私人と言えるのか。 橋下氏:私はいま一私人で、権力はない。名誉毀損、侮辱かどうかぎりぎりだが、私人が国会議員を批判するのは許される。 楠弁護士:岩上氏のリツイートを知ったのはいつか。 「事務所が2017年10月下旬に見つけた。事務所がメディアをチェックしているので、すぐに引っかかってくる」と答えた。 楠弁護士:岩上氏もチェック対象の中にして入れていたのか。 橋下氏:もちろんだ。メディアとメディアで発信している人たちをチェックしていた。一般人は対象にしていない。

橋下氏は岩上氏の投稿がリツイートだということを知らなかった

 橋下氏は、岩上氏の投稿がツイートかリツイートかも知らず、岩上氏のツイートだと思いこんでいたこと、岩上氏がリツイートを削除したことも知らずに提訴したことを“自白”した。 楠弁護士:当初からリツイートだということは知っていたか」 橋下氏:いや、リツイートだと分からなかった。アプリでやるのとヤフーの検索では違う。岩上氏のツイートだと思っていた。ただし、ツイートでもリツイートでも同じだ。 楠弁護士:橋下先生はツイッターを長くやっているので分かるはずだ。岩上氏がリツイートを削除したのは知っていたか。 橋下氏:知らなかった。 楠弁護士:訴状に削除があったと書いているので確認していたのでは。 橋下氏:提訴前なのだろう。 楠弁護士:岩上氏は早い時期に削除したと言っている。提訴前に確認しなかったのか。 橋下氏:代理人から聞いたかもしれない。 楠弁護士:削除された場合、損害の中身とか違ってくるのではないか。 橋下氏:岩上氏からまったく連絡がなかった。削除されても伝播される。 楠弁護士:伝播されたか調べたか。 橋下氏:伝播されたと思う。リツイートだったことは、僕は分からない。岩上さんのツイートだと思った。
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「謝罪をすれば提訴しなかった」(橋下氏)
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