「アイスホッケー界の日ハム」を作ったチェアマンの「夏は野球、冬はホッケー」の総合型スポーツクラブ化構想

釧路クレインズの廃部で、新たな受け皿となる会社を設立

小林チェアマン

アジアリーグの未来を熱く語る小林チェアマン

 このままでは、釧路だけではなく北海道経済が沈んでしまう。アイスホッケーチームの日本製紙クレインズ(北海道釧路市)が廃部となった3月31日、札幌でスポーツ関連用品販売会社を経営する茅森健一氏がチームの受け皿となる「東北海道アイスホッケークラブ合同会社」を設立したことを明らかにした。  日本製紙クレインズの最後のファン感謝デーでは「新しい会社にチームの存続を委ねたい。運営会社ができたといっても、まだ卵の段階。ファンの皆様の力でクレインズを再び羽ばたかせていただきたい」と安永敦美オーナー兼代表は挨拶をした。  しかし、日本製紙クレインズの存続問題はまだまだ予断を許さない。クレインズが所属するアジアリーグの小林澄生チェアマンは史上最大の窮地の打開策として、たとえば、夏は野球、冬はホッケーという「総合型スポーツクラブ」構想をブチあげる。  小林澄生さんは、5代目チェアマン。H.C.栃木日光アイスバックスの運営会社「栃木ユナイテッド」前会長だ。

クレインズの存続は、北海道民全体の問題

――北海道・釧路市の日本製紙クレインズの存続問題について、アジアリーグのチェアマンとしてどう見えていますか? 小林:釧路は約70年の歴史があり、日本代表を含めて多くの選手を輩出してきた地域であり、アイスホッケー界で重要な位置付けがある。ひいては北海道のスポーツ文化の頂点に位置すべきであり、17万人の釧路市民だけでなく北海道民全体の問題としてとらえなければいけない事柄ではないか。ファンの署名も10万人が集まった。ここからは官民一体となった釧路でのリーダーシップでこの歴史的な窮地を乗り越えなければならない。 日本製紙クレインズの存続問題はアジアリーグの存続にも直結する。一部で日本のチーム(王子、栃木日光、東北、日本製紙の4チーム)が脱退するという報道があったが、それは明確に否定したい。ただし、現在の4チームから3チームになってしまってはリーグに影響が出かねない。アジアリーグの将来にも様々な構想があるが、クレイン問題が解決することが第一。可能性がある限り、期限を切るべきではない、9月の開幕を遅らせることもありうるとクレインズ側には伝えている。 アジアリーグに関しては創設16年だが、これまでは「アジア」のリーグだということが希薄。各国チームとも関係が希薄なのが実情で、2022年の北京冬季五輪を念頭に連携を緊密にファンに向いた施策を行っていく必要がある。
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日本のスポーツ文化をどうしていくのか
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