食品選びから人づき合いまで 「週末ヴィーガン生活」でわかったこと

サラダやジュースにも乳製品が

 前述のとおり、これまでもヴィーガンメニューを食べたことはあった筆者だが、意識してそういった生活を送った経験は皆無。しかし、さる週末にヴィーガンの友人宅に泊まりに行くことになり、「郷に入っては郷に従え」ということで、ものは試しとチャレンジしてみることにした。  ヴィーガン生活初日の金曜日。最初に食べたのは友人が作ってくれた晩御飯、「ヴィーガン丼」だ。

大豆ミートやアボカドの乗った「ヴィーガン丼」(筆者撮影)

 通販サイトや一部スーパーでも購入可能な大豆ミート、アボカドをキヌア(雑穀)に乗せたもので、牛丼と生姜焼きを足して割ったようなお味。パプリカパウダーとゴマがかかっていたが、ヴィーガンメニューでは、こういった細かな工夫、味つけが旨味を引き出すコツのようだ。  食感もボリュームも満足度は充分。動物にも優しいし、これだけ美味しいならヴィーガン生活も悪くないかも……。と、幸先のいいスタートを切ることができた。  しかし、そんな甘い考えはわずか数時間後に打ち砕かれることに。花金の夜が終わり、朝方友人宅に戻るころには猛烈な空腹感が押し寄せた。仕方なく帰り道はコンビニに寄って、ほろ酔いの頭をフル回転させながら、ヴィーガンのメニューを探す。

コンビニでヴィーガン向け食材を探すのが困難

 ところが、そもそもほとんどの商品に肉や魚が含まれているうえ、“安パイ”だと思ったサラダにもマヨネーズや卵が使われていたりと、選択肢は限りなく狭い。  結局、納豆巻きと豆腐、ジュースを買って帰ったが、なんでも揃うはずのコンビニも、にわかヴィーガンにはハードルが高い。普段そんなことは意識せずに生活しているので、思わぬ落とし穴に驚いた。  こうしてなんとか初日は乗り切ったつもりだったが……。翌日、冷蔵庫の中身を見た友人は、「ひとつだけヴィーガンじゃないものが入ってるよ」とポツリ。早朝、購入したジュースに牛乳が含まれていたのである。  不幸中の幸いと言うべきか、封を開ける前だったので崖っぷちでヴィーガンチャレンジは継続となった。そんな筆者に友人が作ってくれたのは、ヴィーガンのモーニングメニュー。一見するとスクランブルエッグのようなものは、木綿豆腐とブラックソルト(カラナマック)が原材料だ。

お腹にも優しかったヴィーガンの朝食(筆者撮影)

 つけ合わせの“チーズ”は、ソイチーズ。口にしただけではそれと分からないが、こちらも植物性100%だ。  この日の晩御飯は友人が外出していたこともあり、サラダと豆腐に納豆巻き。物足りなさは感じたが、無事にチャレンジは継続した。
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外食も選択肢が限られる
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