「会話にメリハリをつけましょう」って簡単に言うけど、どうすればいい問題

句点の間は理解を、読点は期待を促す

 話し手が句点の間を繰り出しているときは、聞き手はうなずくことが多い。そして、話し手が読点の間を繰り出しているときは、聞き手はその後、顔を上げることが多いのだ。  たとえばビデオを観ると、話し手が「私の職務はトレーナーです。(間)」というようにフレーズの最後の句点で間をつくるときは、聞き手はその間のあいだに「ああ、この人の職務はトレーナーなのか!」というように思ってうなずいてくれているように感じることが多い。  一方、「私の職務は、(間)トレーナーです。」というように、話し手が主語と述語の間の読点で間をつくるときは、聞き手はその間のあいだに「この人の職務はなんだろう?」と、主語に続く話はなんだろう、述語はなんだろうというように思って顔を上げることが多いのだ。  つまり、句点の間は聞き手の理解を促すことに役立っており、読点の間は聞き手に次の話への期待を促すことに効き目があるという法則性がある。  ということは、相手の理解を促したいときには句点で間をつくる、相手の期待を促したいときには読点で間をつくるというように、間をつくる箇所を使いわけていけばよい。  実際にそのようにプレゼンを実施することは、とてもたいへんなのではないかと思う人がいるが、早い人で数回、遅い人でも十回程度、ロープレをしたり、実際の対話やプレゼンの場面で試してみるとできるようになる。  わかってもらいたいときには句点の間、次の話をもったいぶって期待を持たせたいときに読点の間というように素直な気持ちを間に込めればよい。

句点と読点で作る「間」を使い分けるべし

 質問:間をつくる場所による効果の違い  あるときは読点、あるときは句点で間をつくるといっても、読点の間と句点の間をどう使いわけていけばよいかがわかりません。読点で間をつくる場合と、句点で間をつくる場合とで、それぞれどのような効果の違いがあるのでしょうか?  こういうときは読点で間をつくったほうがよい、こういうときは句点で間をつくったほうがよいということがわかれば、間をつくりやすいと思います。  回答:読点で間をつくり期待を持たせる  句点で間をつくることは、その前に話した内容の理解を促すことに役立ちます。読点で間をつくることは、その後に話すであろう内容について、相手に期待を持たせることに役立ちます。  たとえば、「私の職務は、ビジネススキルのトレーナーです。(間)」のように句点で間をつくると、その間のあいだに「この人の職務はトレーナーなのだな」というように相手の理解を促します。  一方、「私の職務は、(間)ビジネススキルのトレーナーです」 というように読点で間をつくると、その間のあいだに「この人の職務はなんだろう」というように、次の話に期待を持たせることができます。  理解を促したいときは句点の間、期待を持たせたいときは読点の間というように、間を組み込む場所を変えていくことで理解を促したり、期待を促したりすることができるのです。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第130回】 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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