ひとりの相手と話をするときでも、多くの相手にプレゼンをする場合でも、聞き手の関心度・集中度は、時間の経過とともに低下するのが普通だ。それはまるで、コーヒー好きな人でも、2杯目、3杯目のコーヒーは、1杯目ほどおいしく感じないということと同じだ。どんなにおいしいコーヒーでも、同じコーヒーを飲み続けていければいくほど、おいしさを感じなくなる。
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これが同じコーヒーを飲み続けるのではなく、コーヒーと同じ程度に好きな飲み物に種類を変えて、たとえば、コーヒーのあとは紅茶を飲んだり、ジュースを飲んだりしていけば、おいしさを感じる度合はそれほど下がらないものだ。
同じく、単調な対話やプレゼンをしていると、聞き手の関心度・集中度の低下は加速するし、反対にメリハリが効いている場合はあまり低下しない。
そこで、「対話やプレゼンにメリハリをつけましょう」ということは頻繁に言われるが、実はどのようにメリハリをつければよいかということは、ほとんど語られていないのが実情だ。
ビジネススキル演習をしていて、とても多く受ける質問に「会話にメリハリをつけたいのですが、どうすればよいのでしょうか?」というものがある。それも、どうすればよいか皆目見当がつかないし、自己流でさまざまな方法を試してきたが、一向にメリハリがついていないので諦めていたという声さえ聞こえる。
この対話やプレゼンにメリハリをつける方法が、句点で間をつくることと、読点で間をつくることを混在させる方法だ。
フレーズの最後の句点「。」に間をつくることだけを繰り返していくと単調になる。そこで、主語と述語の間、読点「、」で間をつくることを混在させていくのだ。
では、句点で間をつくる場合と、読点で間をつくる場合とで、どのような効果の違いがあるのだろうか? どのような法則性をもって、句点の間と読点の間を繰り出しわけていければよいのだろうか?
それを見極めるためには、聞き手に協力してもらい、自分が話している時の聞き手の表情を録画して、自分が句点の間を繰り出しているとき、読点の間を繰り出しているときの表情やリアクションの違いを確認してみることが手っ取り早い。
実際にそれをやって、聞き手の状況を確認してもらうと、句点の間を繰り出しているときと読点の間を繰り出しているときとで、聞き手の表情に大きな違いがあることがわかってきた。