ガソリン車以上に希少金属を必要とする電気自動車(EV)は、 本当に「エコカー」なのか?
技術が進歩するほど、それを支える金属の需要が増える

ニューカレドニア、ゴロー鉱山のニッケル・コバルト採掘現場
EVの銅使用量は、ガソリン車の3~4倍
まずは「ベース・メタル」(社会の中で大量に使用され、生産量が多く、さまざまな材料に使用されてきた金属)と呼ばれてきた銅。
需要サイドから見ると、2018年の2400万トンをベースとして年率3.5%伸びるとした予測によると、2030年には総需要3650万トンに対して供給能力は2900万トンで頭打ちになり、750万トンの供給不足となる(*1)。
このような需給ギャップの主な原因としては;需要を大幅に増加させるエンジンの電気自動車(EV)と太陽光、風力発電等再生可能エネルギーだ。当然ながら、EVの銅使用量はガソリン車の3~4倍にもなることを認識すべきだ(*2)。
太陽光発電に必要な銅はメガワット当たり2.45~7トン、陸上風力発電で2.54~6.77トン、洋上風力発電で9.5トンになる(*3)。
さらに中国の銅消費量は世界の40%を占め、なお高い伸びを示している。それにもかかわらず国民1人当たりの銅消費量はまだ6kgで、日本やドイツなど先進諸国の1/2~1/3。今後さらに消費拡大すると予測され、大きな懸念材料となっている(*4)。
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