句点の間と読点の間を適度に織り交ぜることを実現するための早道は、まずは句点の間を入れて対話やプレゼンを実施することだ。それに慣れて、あまり意識しなくてもできるようになったら、時々、読点の間を入れ込んでみる。
実際にやってみると、句点の間を入れ込みやすい場所に法則性があることに気づくに違いない。その法則性については、別の機会に紹介したい。
聞き手の関心度、集中度を最後まで低下させないで、聞き手を引きつけることができている人のスキルを分解すると、句点の間と読点の間を適度に織り交ぜて繰り出すということに行き着くのだ。
質問:句点で間をつくっていたら単調になるんですがどうしたらいいでしょうか?
句点で話を停止して、間をつくることを心掛けていましたら、たしかに話にリズムが出てきました。しかし、そのリズムがワンパターンになっているせいか、やはり相手がだんだんと集中度や関心度を低下させているように思います。どうすればよいのでしょうか?
回答:句点だけでなく、読点でも間をつくるようにしてみましょう。
たしかに、同じパターンで間をつくっていくと、相手はそれに慣れて飽きてきてしまい、集中度や関心度を低下させてしまいます。
句点「。」だけでなく、読点「、」でも間をつくり、あるときは読点、あるときは句点で区切るとよいでしょう。
「話にメリハリをつけよう」とは、よく言われることですが、具体的にどのようにメリハリをつければよいかわからないという人が多いのです。間をつくる場所を、読点や句点にばらつかせていくと、メリハリが利いてきます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第129回】
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『
クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある