相次ぐ労働組合員の逮捕。「関西生コン以外の組合にも弾圧が及びかねない」と弁護士も危惧

企業の枠を超えて働く人を組織する関生

 日本では、会社ごとに働く人を組織する企業別の労働組合が主流だ。しかし関生は、コンクリート業界で働く人を組織する産業別の労働組合。個別の企業の枠を超えて、産業全体の労働条件改善に向けて活動してきた。  指宿弁護士は、関生が多数の逮捕者を出す背景について、「関生は生コン業界全体の改革を目指してきました。これを脅威に感じた大手ゼネコンの思惑が今回の刑事弾圧の背後にあるのではないでしょうか」と推測する。コンクリートの価格を安く抑えたい建設会社が、関生の活動を嫌って、警察を動かした可能性があるという指摘だ。  またネットを中心に「レイシスト(差別主義者)たちが弾圧を引き起こすよう暗躍している」(指宿弁護士)。一部の保守系活動家が、立憲民主党の本部前で関生批判の演説をしたり、YouTubeに“企業を恫喝している”、“たかり屋”と批判する動画を多数投稿したりしていたのだ。  大手メディアでは、今回の事件を「組合潰し」という観点から報じる目立った動きがなかった。この点についても指宿弁護士は危機感を覚えているという。 「これは労働組合活動に警察や国家が介入した重大事件です。憲法で保障されている労働者の基本的人権が侵害されています。きちんと取材して報道するのが報道機関の責任だと思います。これを放っておいたら、労働者の権利を守る他の活動にまで弾圧が及びかねません」 <取材・文/HBO取材班>
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