3月8日の記者会見で、大阪入れ替えダブル選挙に出馬することを表明した松井一郎・大阪府知事(維新代表)と吉村洋文・大阪市長(維新政調会長)
大阪府知事・市長のダブルクロス(入れ替え)選挙の構図が確定した。維新と公明が決裂した大阪都構想法定協議会の翌3月8日、松井一郎・大阪府知事(維新代表)と吉村洋文・大阪市長(維新政調会長)が記者会見。松井知事が市長選に吉村市長が府知事選に入れ替わりで出馬することを表明した。
4年前の大阪府知事・市長の公約である大阪都構想の再住民投票が、公明党の方針変更で実現困難となったとして「このままでは死んでも死に切れない」松井氏は強調。「公明党に騙された」と批判しながらダブル選挙に踏み切ったのだ。
これに対して自民党は、府知事候補に小西禎一・元大阪府副知事、市長候補には今夏の参院選候補だった柳本顕・元大阪市議を擁立。公明党も府本部レベルながら両候補を推薦すると、立憲民主党も3月16日に自主支援の方針を決定。共産党も支援を検討している。
今回、自民党と野党が連携して維新と対決することになったが、辺野古新基地阻止のために保革が手を結んだ沖縄県知事選に似た「中央(官邸)」対「地方(自治)」という構図ともいえる。地元記者は「菅官房長官と松井知事の“蜜月関係”がカギ」とこう解説する。
「1月中旬に原田稔・創価学会会長と佐藤浩副会長と谷川佳樹主任副会長の3人が大阪入りし、会合を持って大阪都構想をめぐる対応について話し合いをしました。
菅義偉官房長官と親密な佐藤氏は維新との対決、つまり法定協議会での決裂に否定的だったようです。しかし谷川氏は『決裂やむなし。維新と戦うべき』と主戦論を訴え、原田会長も同調したと聞いています。
そして3月1日に公明党府本部と創価学会の幹部が大阪で会合を開いて決裂容認の方針を確認、大阪ダブルクロス選に突入することになったのです」