イラク戦争でトルコは、自国領内にある米軍基地を出撃基地として使わせなかった。日米安保条約では、いわゆる「極東条項」によって在日米軍の活動範囲は「日本とその周辺」に限るとされているものの「実際にはなし崩しとなっています」と半田氏は指摘する。
「ベトナム戦争以降、在日米軍基地から他国にある米軍基地へ『移動する間に』、在日米軍が極東条項の範囲外で米国の戦争に参加するということがまかり通ってきました。沖縄の海兵隊もイラク戦争やアフガン戦争に出撃しています」(半田氏)
イラク戦争は国連安保理の武力行使容認決議を得ないまま、強行されてしまった。その戦争に在日米軍基地が使われたことは極めて重大な問題だ。日本は外交・安全保障政策で主権を自ら放棄しているうえに、ロシアとの交渉でも足下を見られているというありさまなのだ。
取材・文/志葉 玲
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