攻めの節税。扶養家族の適用範囲は意外と広い! 実家の両親に仕送りしている人は節税のチャンスあり

 税制改正の頻発、増加する社会保険料などでサラリーマンの手取り額は目減りするばかり。10月に消費税増税を控える今年こそ本腰を入れて対策に乗り出さなければ、もはや生きていけない。取られっぱなしの“税金弱者”から卒業すべく、攻めの節税マニュアルをここに伝授する。

扶養を増やす際の手続きは非常に簡単。年末調整の際に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等申告書」に記入し提出するだけでOKだ

意外と適用範囲が広い「扶養控除」をフル活用

 例えば年収が500万円、専業主婦の妻と高校生の息子がいる場合、妻の配偶者控除で38万円、息子の扶養控除で38万円が控除される。だが、これだけで満足してはいけない。離れて暮らす年金暮らしの両親を扶養に入れることで、さらなる控除が受けられる。 「扶養控除の条件として『扶養していること』『家計を一にしていること』とありますが、必ずしも一緒に住んでいる必要はありません。扶養の定義は具体的になされておらず、生計を一にしていれば資金援助の多寡にかかわらず扶養に入れることができます」(元国税調査官の大村大次郎氏)

年金暮らしの両親を扶養対象にして節税

 例として離れて住んでいる年金暮らしの両親に毎月1000円の生活資金の援助を始め、2人とも扶養控除に加える場合(年金額は一人158万円以下が条件)。両親の年齢が70歳以上ならば控除額は一人当たり10万円増え、合計96万円もの控除を受けられるようになる。また、親に限らず、扶養に入れられる親族の範囲は意外と広い。 「6親等以内の血族もしくは3親等以内の姻族までが扶養の範囲として認められています。つまり、血族ならばいとこの子供や祖父母の兄弟、姻族なら義理の親の兄弟でもOKです」
次のページ 
過去分まで遡って申告も可能
1
2