沖縄県民投票の民意軽視を許してしまったら、全国に広まってしまう
2月27日に文京シビックセンターでの集会で県民投票の報告をした元山仁士郎さんと、清泉女子大学で辺野古問題を考える会合の開催に取り組む丸山衣美里さん(左)
元山さんのように、立場や意見の違いを超えて話し合いたいという若い世代が、沖縄県外でも増えてきている。2月27日夜、文京区シビックセンターで開かれた沖縄県民投票報告集会の質疑応答で、清泉女子大学2年生の丸山衣美里さんは次のように発言した。
「本土の私たちに何ができるかというのは、私もずっと県民投票に向けて結果が出る前から考えていました。学内にいっぱいビラを貼ったり、そういうことはしてきたのですけれども、沖縄では県民投票の前から若い人たちがいろいろな運動をしてきて、『沖縄の若い人たちは格好がいいな』『うらやましいな、そういう環境があって』と思っていました。
何で『うらやましいな』と思ったかと言うと、自分の周りにはそもそも政治のことに興味を持っていない人がすごく多くて、ちょっとそういう話をしようとすると、『どうしたの? 宗教にでも入ったの? 何で急にそういう話をし始めるの?』とドン引きされてしまうんです。
そこから話ができるような状態でもないという状況のなか、ビラを貼るために学内の教授に協力をお願いして回っていたのですけれども、その際にも『何でそんな沖縄の話なんかに興味があるの?』と元新聞記者の教授にまで言われてしまったりして。
私としては、もちろん本土の責任も大きいと思うし、何より地方自治の形骸化、軽視というのは沖縄だけではありません。今回許してしまったら、全国に広まって行ってしまうなという危機感が強くあります。
私の高校は横須賀なのですが、グラウンドのフェンスを挟んですぐ隣が米軍基地です。沖縄よりは少ないけれども、『常にヘリの音が聞こえていたり、何か物が落ちてきたり』といった被害は、神奈川県でもたくさん起きています。
本土の基地の近くに住んでいた者として、『これは地方自治の問題だし、あなたの身近なところで同じ問題が起きるかも知れない』『今回の県民投票の結果を尊重しない政府を許してしまったら、自分たちの意見も聞いてもらえなくなるかも知れないんだよ』ということを、まずは学内から広めて行きたいなと思っています」(丸山さん)
丸山さんの実体験を交えた発言が終わると同時に拍手が沸き起こり、元山さんが「僕を呼んでくれたら行きますので」と言うと、さらに大きな拍手となった。そして元山さんは「できるだけ同世代の人たちの動きを応援したいと思います」と、思いを語り始めた。
「自分も、沖縄の大学教授たちが誘ってくれて『授業をまるまる使っていいよ』ということで話させてもらったり、『高校生たちも関心があるんですよ』と高校の先生たちが声をかけてくれたり。
本当にすごいなと思って。ハンガーストライキをやった時は、高校生たちも来てくれました。『なぜ(県民投票の)投票権を奪うの? そんなのダメじゃん』という、16歳や17歳の子すら分かるようなことを、宜野湾市長はやってしまっていた。そういう自分よりも年下の人たちのことをものすごく応援したい。
これから自分たちが社会・政治を担っていきます。今回の県民投票では投票権がまだなかった(さらに若い)世代も考えていかないといけないと思いますし、それは沖縄だろうが、他の都道府県であろうが同じだと思います。特に、大学の中で考えること、学生が動いていくということはすごく重要だと思うので、何とか協力できればなと思います。ありがとうございました」(元山さん)