確定申告締切直前! サラリーマンならまずは「医療費控除」を狙うべし

箱に「税控除対象」と明記された医薬品も登場

<医療費控除が適用できる範囲>

●OKゾーン 病院で支払った医療費(薄毛治療、禁煙治療、ED治療、温泉療養もOK!) 治療薬の購入費 入院や通院のための交通費 マッサージ師、指圧師などによる施術料 子供の歯列矯正 近視矯正手術(レーシック手術)など ●グレーゾーン 通院時のタクシー代 親族などの病院までの交通費 インプラント治療など ●NGゾーン メガネ、コンタクトレンズ代 医師の指示によらない差額ベッド代 美容、審美のための歯列矯正 予防注射の費用 歯石除去の費用 疲労回復、健康増進、病気予防などのために 購入した医薬品費など

医療費控除のグレーゾーンを認めさせる方法

「治療か、予防か」で医療費を仕分けたとき、自ら購入した医薬品などOKともNGとも取れるあいまいなものが出てくる。グレーゾーンを税務署に認めてもらうにはどうすべきか? 「自分で確定申告することです。日本の税制では、納税者が申告したことに関しては原則として認められます。なぜなら、税務署員とはいえ申告書類を見ただけで『これは治療目的ではない』と客観的に判断するのは難しいから。自分が『治療のため』と思って購入していれば、大抵のものは医療費控除の対象になるということです」  そう語るのは元国税調査官の大村大次郎氏。税務署に行けば税務署員が無料で申告書を作成してくれるサービスもあるが、医療費に関してはそれがアダとなるとか。 「税務署員にあれこれ聞かれて『コレはダメ』と弾かれてしまうんです。確定申告はハードルが高いと思っている人は多いですが、マニュアルを見ながらやれば誰でも2時間足らずで完了しますよ」  2時間で数万円も還付されるのだから、確定申告は副業に精を出すよりよほど効率的!? ※3月18日追記 セルフメディケーション税制について当初記事では”「医療費控除と違い、セルフメディケーション税制は疾病予防目的でOK。1万2000円を超えた額を最大8万8000円まで所得控除できます。ドラッグストアの市販薬をはじめ、健康診断や予防接種、メタボ健診なども対象です。ただし、2つの制度は併用できません。どちらも確定申告が必要なので、通院時や薬を買った際は領収書をもらう習慣をつけておきましょう”という箇所がございましたが、当該箇所について誤りがありました。 ・「疾病予防目的でOK」という規定はなく、病院で処方される薬剤との代替性が高い医薬品(いわゆるスイッチOTC薬)の購入費用が対象となります。 ・市販薬のすべてが対象になっているわけではなく、スイッチOTC薬のみが対象です。(現時点で85成分1718品目) ・健康診断、予防接種、メタボ健診は、税制を利用するために必要な取り組みで、その費用は控除の対象外です。  該当箇所の本文については訂正しております。 【西原憲一氏】 税理士。個人の確定申告から法人の税務コンサルまで手がける税金のエキスパート。個人の資産運用プランニングや相続税対策に定評あり 【頼藤太希氏】 マネーコンサルタント。(株)Money&You代表取締役。WEBメディア「FP Cafe」や「Mocha」を運営するほか、マネーコンサルタントとして幅広く活躍中 【大村大次郎氏】 元国税調査官。国税局に法人税担当調査官として10年間の勤務経験を持つ著述家。『税務署員だけのヒミツの節税術』(ビジネス社)など著書多数 ― 保存版[攻めの節税]マニュアル ―
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