確定申告締切直前! サラリーマンならまずは「医療費控除」を狙うべし

 税制改正の頻発、増加する社会保険料などでサラリーマンの手取り額は目減りするばかり。10月に消費税増税を控える今年こそ本腰を入れて対策に乗り出さなければ、もはや生きていけない。取られっぱなしの“税金弱者”から卒業すべく、攻めの節税マニュアルをここに伝授する。  確定申告の期限日は3月15日(金曜日)までなので、もう締切直前となったが、サラリーマンでも節税できるポイントを紹介するのでぜひ活用していただきたい。
イラスト/大串ゆうじ

イラスト/大串ゆうじ

通院費だけじゃない! 医療費控除をフル活用せよ

 税理士の西原憲一氏が「最も身近で使い勝手がよく、サラリーマンがまず取り組むべき節税術」とイチオシするのが医療費控除。年10万円を超えた分の医療費自己負担額が最大200万円まで課税所得から差し引ける制度だ。 「控除となるのは病院に支払ったお金だけが対象ではありません。また、最近はやりの薄毛治療や禁煙治療、ED治療にかかった費用も控除の対象。さらに、生活習慣病や神経痛の治療であれば、厚生労働省指定の温泉療養施設の利用費も控除できるんです。『温泉に入って療養したい』と医師に申し出れば、証明書を発行してくれます」(西原氏)  適用範囲の基準には「治療目的はOK、予防目的はNG」という考え方がある。また「生計を一にする配偶者やその他の親族」の使った医療費も合算して申告OK。とはいえ、自己負担で10万円超となるとハードルが高い。そんな場合、一昨年新設されたセルフメディケーション税制を活用するのが賢いサラリーマンの節税術だ。

1万2000円超から控除できる特例制度

税控除対象商品は、レシートには対象商品名の横に星印がつくため、チェックしておきたい

。  また、セルフメディケーション税制にも注目したい。病院で処方される薬剤との代替性が高い医薬品(いわゆるスイッチOTC薬)の購入費用が対象で、現時点で85成分1718品目が対象になるもので、1万2000円を超えた額を最大8万8000円まで所得控除できる。ただし、税制利用には、健康診断や予防接種、メタボ健診などが必要となる。 「ただ、医療費控除と2つの制度は併用はできません。また、どちらも確定申告が必要なので、通院時や薬を買った際は領収書をもらう習慣をつけておきましょう。共働き世帯だった場合、控除額の大きい医療費控除を所得の高いほうが、セルフメディケーション税制を所得の低いほうが申告することで、世帯の医療費を最大限控除することも可能です」(マネーコンサルタントの頼藤太希氏)  制度を理解し、最大の節税効果が見込める選択肢をチョイスできることも増税時代の必須スキルだ。
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医療費控除のグレーゾーンを認めさせる方法も
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