兵士の離反を報じる「EL Nuevo Siglo」紙
南米ベネズエラのファン・グアイドーが自ら暫定大統領だと宣誓した1月23日に、それからひと月後に「支援物資をベネズエラに搬入させる」と国民の前に公約した。その丁度ひと月後の2月23日が一つの山場だとされた。
というのも、米国から送られた食料や医薬品などをコロンビアそしてブラジルからベネズエラに搬入させるのに、ベネズエラ軍がどのような反応を見せるかということに注目が集まったからだ。彼らがそれを阻止するのか、それとも搬入の為の通路を開けるのかという疑問であった。
蓋を開けてみると、案の定、ベネズエラ軍がそれを阻止する方向に動いた。搬入しようとするボランティア市民とベネズエラ軍との間で激しい衝突も発生した。しかし、その隙間を縫ってブラジル側からは一部物資がベネズエラに搬入できたという。
ところが、この日を境にベネズエラ軍内部での亀裂が表面化し始めたのである。ベネズエラ軍から離反してコロンビアまたはブラジルに亡命する兵士が出て来たのである。2月25日までにその数は167人と報じられた。彼らの中で一番階級が上の軍人は陸軍少佐ウーゴ・エンリケ・パッラ・マルティネスだという。
彼はコロンビアに通ずる国境を通過するや、メガフォンを手にもって「私は我々の大統領がファン・グアイドーであることを承認する。祖国心と神のご加護を得てベネズエラ市民と一緒になって戦う」と述べた。彼の後を追うように、ボリバル国家警備隊から少尉がひとりと軍曹が二人加わった。彼ら3人の中のひとりが「我々は今日ニコラス・マドゥロを大統領として否認し、ファン・グアイドーを最高司令官として承認する。我々が今日取った行動は我々の家族と国家の為だ。我々の暫定大統領より(我々身柄の)保障を受けた」と述べた。(参照:「
El Nuevo Siglo」、「
La Voz」)
その後、コロンビアの移民局のクリスチアン・クルーゲル局長によれば、支援物資が搬入されようとした23日だけでボリバル国家警備隊から27人、軍隊から14人、士官3人が離反してコロンビアに亡命したという。(参照:「
Univision」)
装甲車に乗ってコロンビアに亡命してきた二人エドガー・トッレス国家警備隊曹長とオスカル・リスカノ陸軍軍曹も、その離反して亡命した兵士だ。トッレス曹長は「外国からの軍事介入は望まない。陸軍、海軍、空軍そして国家警備隊とが一緒になって(マドゥロの)上層部を追放することだ」と確言し、リスカノ軍曹も「そう遠くない時期にそれを実行する」と述べ、国家警備隊のトッレスの方を指して、「彼らはそれを決心している。我々陸軍も同様だ」と強調した。(参照:「
El Mundo」)