静止画ダウンロード違法化。ソフトウェア開発者が抱いた「キャッシュ」についての疑問

Google Chrome のキャッシュの仕組み

 『Google Chrome』は、オープンソースのWebブラウザ『Chromium』ベースのWebブラウザだ。オープンソースであるために、プログラムの内容が公開されている。また、キャッシュの仕組みについてもドキュメントがWebで閲覧できる(Disk CacheDisk Cache 3.0)。  詳細は省くが、普通にWindowsにインストールした場合は、「C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Cache」というパスにキャッシュは格納される。このフォルダの中には、1つのインデックスファイル「index」と、「data_0」「data_1」…といったデータファイル、そして「f_~」という名前の無数のファイルが作成される。  ダウンロードしたコンテンツは、「data_~」というデータファイルに格納され、その規定の容量をオーバーした分は、「f_~」という名前の別のファイルに保存される。つまり、ダウンロードしたファイルは、複数のファイルに分散されて記録される。これらは暗号化されておらず、適切な手順を踏むと元のファイルに復元できる。

Google Chrome のキャッシュを取り出すソフト

『Google Chrome』のキャッシュの仕様やプログラムは、オープンソースなので公開されている。そのため、キャッシュから元のファイルを復元するソフトも存在する。そうしたソフトはいくつかあるが、一例として「Nir Sofer」の「ChromeCacheView」を挙げておこう。  このソフトを実行すれば、キャッシュに格納されているファイルの一覧が表示される。ファイルを選択して、メニューの「File」>「Copy Selected Cache Files To … (F4)」を選択すると、キャッシュとは別の場所にファイルを複製できる。  暗号化はされていないので、外部のソフトから取り出せるのは驚くことではない。何のプロテクトも掛かっていない自分のパソコン内にあるデータを閲覧しただけである。  もし、ソフトを試すなら、念のためにキャッシュを空にして、問題のない自作のコンテンツを閲覧してそのキャッシュを確認した方がよい。そして、ソフト自体を削除しておくことをおすすめする。法律に従うなら、自分のパソコン内のデータを見るこうした行為は、違法になる可能性があるからだ。

Internet Explorer や Firefox の場合

『Google Chrome』だけでなく、『Internet Explorer』や『Firefox』についても見ていこう。 『Internet Explorer』の場合は、「歯車アイコン」>「インターネット オプション」>「全般」タブ>「設定」ボタン>「インターネット一時ファイル」タブ>「ファイルの表示」ボタンを押すと、キャッシュされたファイルの一覧が表示される。  ダブルクリックすればファイルを開ける。『Google Chrome』の時のような特別なソフトは必要ない。「別のソフトウェア」の使用をためらうなら、『Internet Explorer』のウィンドウにドロップするとよい。Webブラウザ上でキャッシュを確認できる。  次に『Firefox』の場合は、「C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Mozilla\Firefox\Profiles\~\cache2\entries」内にキャッシュが入っている。拡張子が付いていないために分かり難いが、バイナリエディタで閲覧すると、ファイルがそのまま保存されているのが分かる。ある程度慣れたプログラマなら、ファイルの先頭数バイトを見れば何のファイルか分かる。そのため拡張子を付ければ、中身を画像表示ソフトで確認できる。  拡張子を付けなくても、『Firefox』のウィンドウにドロップすると自動でファイルの種類を判別して表示してくれる。『Internet Explorer』と同じように、「別のソフトウェア」を使用せずにキャッシュを確認できる。  Webブラウザのキャッシュは、隠されたファイルでも特別なファイルでもない。いつでも誰でも閲覧できる状態で、パソコン内に保存されている
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ソフトウェア開発者が抱く疑問
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